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尚志の“秘密兵器”、地元・郡山出身のMF草野太貴が絶妙タッチと速さで決勝アシスト:福島

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尚志高の俊足MF草野太貴は決勝点をアシストした

[11.7 選手権福島県予選決勝 尚志高 2-1 学法石川高 西部サッカー場]

 尚志高の“秘密兵器”が劇的な決勝点をアシストした。1-1の後半40+2分、尚志は相手ロングスローを跳ね返すと、前線右サイドに残っていたMF草野太貴(3年=ラッセル郡山FC出身)へ縦パス。草野は絶妙なファーストタッチで相手DFと入れ替わって見せる。

「ボールが来て、(マークの)相手が後ろに下がったので、前で触れば自分スピードがあるので、そのまま持って行けるかなと思いました。相手がちょっと足出していたのでちょっと浮かせばかわせると」。巧みにボールを浮かせる形で抜け出した草野はスピードに乗ったドリブルで一気にPA手前へ。そして、呼ぶ声が聞こえ、間接視野で走る大きな姿が見えた方へラストパスを通す。

 これをCBチェイス・アンリ(3年)がコントロール。「誰か呼んでいるなと思って見たらアンリでした。最初トラップミスって下がって、『アンリ、やらかしたな』と思ったら決めてくれたんで……もう叫びました」。大興奮のチームメートたちと一緒に劇的な決勝点を喜んだ。

 草野は仲村浩二監督から“秘密兵器”と呼ばれる存在。指揮官は「SBもできるようになって。スタートで行ける力はあるんですけれども、(今日も)取っておきたかった」と説明する。スピードの出し方が巧く、相手の重心を傾けてかわす力のある草野は切り札としても効果的だ。

 この日は1-0の後半20分から途中出場。「自分でゴールを決めるのが仕事だと思ったんですけれども、ゴールの次に何をしたら良いかと言ったらアシストなので、その2つを狙ってプレーしていました」。抜け出しから迎えた決定機で決めきれなかったものの、縦突破からチャンスも作っていた背番号19は最後の最後で大仕事。自信をつけて福島県予選を終えた。

 “秘密兵器”と呼ばれることについては、「嬉しいですけれども、悔しいところもありますね」。尚志が位置している郡山出身のアタッカー。もちろん全国大会は先発として出場し、チームを勝たせる意気込みだ。「一本一本のパスの精度だったり、守備の部分だったり、足りない部分がたくさんあるので」という課題を改善し、全国舞台で特長を発揮して、またアシストやゴールを喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
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