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「調子悪くても貢献とか違いを」。尚志の10番MF松尾春希は「見ること」を重視:福島

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尚志高の10番MF松尾春希は中盤で存在感のある動き

[11.7 選手権福島県予選決勝 尚志高 2-1 学法石川高 西部サッカー場]

 尚志高の10番MF松尾春希(3年=ジェファ・FC出身)は福島県予選決勝でも攻守に存在感のある動き。ただし、仲村浩二監督は「(コンディションがベストでは無かったため)もっとできますよ。今日は60パーセントくらいじゃないですか」とやや厳し目の採点で、本人も「出来とか含めたら60いかないくらい」と満足はしていなかった。

 普段に比べると、ボールに係る回数が少なかったかもしれない。それでも、「調子悪くても貢献とか違いとか出して行かないと勝てないので、意識しました」と松尾。球際の攻防で負けず、絶妙なインターセプトや低い位置からの正確なパス、ドリブルで相手の守りに穴を開けるシーンもあった。

 ボールを失わない、ボールを奪う力を改めて発揮。“悪いなり”にも違いを生み出す上で大切にしていることは精神的な部分と、「見ること」なのだという。特にこの日、表現できていたのが「見ること」。「『見ること』は今日もできました。見ていれば、調子悪くても敵がどこにいるか分かるし、その上でボールタッチをしっかりとしていけば良い」。球際の攻防でも相手を見て、その動きを予想できているから巧く身体を入れたり、力を受け流したりして、マイボールにすることができている。

 松尾は昨年の準決勝・学法石川高戦でフル出場。敗戦の悔しさを味わっている。この日はリベンジという特別な思いを持って臨むよりも、普段通りにプレーすることを意識して勝利。「2年ぶり選手権全国舞台。インハイは残念な結果に終わってしまっていますし、(全国大会で活躍するために)トレーニングを積み重ねていくようにしていきたいです」と語った。

 チームメートのCBチェイス・アンリ(3年)は“飛び級”招集されたU-22日本代表で活躍。松尾はアンリから「オマエも代表行けよ」と言われるのだという。アンリがストレッチなどの身体のケアに時間を掛けていることから学び、自身も取り入れるようになった。

 状態が上がってきている実感を持つ10番は「(選手権で)とりえず尚志というチームを見てもらって、その中で楽しませるプレーを自分がして、もっと色々な人から注目されるようになりたい」。関東の強豪大学へ進学予定。高いレベルでも違いを出せるように、練習を積み重ねて、成長する。

(取材・文 吉田太郎)
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