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諦めずに勝ち取ったプロ入り。北九州内定の昌平高MF井野文太は応援してくれている人たちの「期待に応えたい」

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ギラヴァンツ北九州加入が内定した昌平高のプレーメーカー、MF井野文太

 ギラヴァンツ北九州は9日、昌平高(埼玉)MF井野文太(3年=FC LAVIDA出身)の2022年シーズン新加入内定が決まったことを発表した。井野はチームメートのMF平原隆暉(3年)とともに北九州入り。プリンスリーグ関東で上位を争う強豪、昌平の中心人物はプロ入りにこだわり、チャンスを勝ち取った。

 今年、井野はボランチのポジションを掴み、攻守両面で“どの試合でも良い”と評価されるプレーを続けてきた。第一志望はプロ。それは夏を迎え、周囲の進路が決まり始めてもブレなかった。「(昌平の藤島崇之)監督には、『ずっとプロ行きたいです』とずっと言っていたので。(だが、秋になっても話がなく不安もあったが)『北九州の練習に来て欲しい』と言われて、監督と『行ってみるか』と。自分は最後の最後で決まった感じですね」。一発勝負の練習参加でプロへのチケットを掴み取った。

「ここが無理だったら諦めて、(大学で)4年間一からやり直して、もう一回挑もうと思っていました。本当に自分、一週間北九州に行かせてもらって、そこで何か爪痕を残すことができればなと考えてやっていました。最初は全体のスピードが速くて付いていけないかなと思っていたんですけれども、徐々に慣れてきて、ボールに触る回数も増えてきてそういう部分で行けるなと思いました」

 本人はJリーガーたちに比べると、ボールの回転がブレるなどパスの精度がまだまだ低いと感じたという。それでもポゼッショントレーニングなど「やれる」「自分、できたな」という手応えも。後日、藤島監督から電話で内定を伝えられると、「嬉しくなっちゃって、本当ですか?と。すぐに家族に伝えました。喜んでくれて、行って来い!みたいに言ってもらって。最後まで諦めなかったことは、自分でも凄いなと思います」と自分自身を讃えていた。

 北九州の印象は、「みんな優しくて、色々な人が自分に話しかけてくれてやりやすかったです。(小林伸二)監督にはボールを受ける時の動き出しとか教わりました」。主軸MF高橋大悟からは「(高校から)プロに行けるならば、行った方が良いよ」とアドバイスしてもらっていたという。
 
 また、刺激になったのが、昌平の先輩でもあるMF針谷岳晃のパス。「あの人の縦パスの入れ方が凄くて、結構バシバシつけていたので、自分もこっち帰ってから縦パス入れることは意識してやっています。針谷君はめちゃくちゃ優しかったです」。現在はプロ入り後の生命線になると感じているキックや、針谷のような縦パス、身体づくりに取り組んでいる。

 諦めずにプロ入りを勝ち取ったMFはサポーターへ向けて、「自分はボールキープが得意なので、そういう部分を活かしたドリブルや、セカンド(ボール)の反応、切り替えの速さは誰にも負けないと思っているので、そういうところを見て欲しいです」とメッセージ。そして、「個人的には1年目から出て活躍したいというのがありますけれども、実際自分は身体が細いなどの部分があるので、1年目は身体づくりしたり、技術面を成長させて、2年目以降はずっと試合に出続けられる選手になっていきたい」と目標を語った。

 サッカーを始めたきっかけは、現在大学生の兄・輝太さんの影響。自分より先にサッカーを始め、間もなくサッカーを辞めた後も、色々なことを我慢しながら支えてくれた兄、そして自分のわがままを聞いてくれた両親には特に感謝の思いが強い。「本当に良い兄を持ったなと思っています。今も兄は応援してくれているので、その(兄、両親からの)期待に応えたい」。FC LAVIDA、昌平に続き北九州でもチームメートになる平原は井野について、「(自分と)タイプ少しは違うと思うんですけれども、自分に足りないものを持っているなと感じます」。その井野は今後、どんな逆境が訪れても応援してくれる人たちのために努力を続け、Jの舞台で羽ばたく。

(取材・文 吉田太郎)
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