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移動トラブルで機内に24時間…吉田麻也「とてもいい経験になりました」

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DF吉田麻也(サンプドリア)

 日本代表のDF吉田麻也(サンプドリア)が10日、報道陣のオンライン取材に応じた。移動トラブルがあった中で迎えるカタールW杯アジア最終予選ベトナム戦に向け、「良い経験というためには明日勝たないといけない」と力を込めた。

 最終予選第5戦のベトナム戦を目前に控え、森保ジャパンにまさかの試練が立ちはだかった。

 所属クラブのリーグ戦を7日に終えた吉田ら11選手は当初、9日朝にオランダ発のチャーター機でベトナム入りする予定だったが、給油先のロシアで足止め。入国が完了したのは同日深夜で、全体トレーニングへの参加は10日の公式練習のみとなった。

 吉田は7日の試合後にイタリア・ジェノバからミラノに入って一泊し、翌8日にオランダ・アムステルダムまで移動。そこから他の10選手と合流してベトナムに向かうはずが、ロシアの給油地でトラブルに巻き込まれた。

「だいたい9時間、10時間くらいストップした。そこからまたフライトしてベトナムに入ったので、(ジェノバから)だいたい24時間くらい機内にいました」。ロシアでの足止め中はビザの関係でチャーター機内からも出られなかった様子。長旅の模様を淡々と明かした吉田は「とてもいい経験になりました」と苦笑いを見せた。

 足止め中の機内では、選手達はストレッチで身体を動かしたり、カードゲームをしたり、それぞれの近況を話したりしながら過ごしていたという。

「代表選手が集まっても隔離がある中で、練習も少ししかできなくて試合が続いていたので、なかなか話すこともできないし、ある意味でいい機会になったかなと思う。こういう経験はしておいたほうが将来役に立つと思うので良かった」。前代未聞のトラブルに対しても吉田は気丈に振る舞った。

 それでもベトナム戦は明日。チームは9日夕、すでにベトナム入りした17選手でトレーニングを行ったが、全体練習はわずか1日で試合に臨むという“ぶっつけ本番”となる。

「外部からの影響、環境の変化は一回遮断して、やるべきことに集中して、まずはベトナム戦に勝利することが一番のテーマ。アクシデントの経験も明日勝ってこそいい経験と思えるし、数年後に笑って話せる。とにもかくにも明日勝たないと始まらない。試合に集中して、外部のことに気を散らさないようにして、一回しかないので集中力を高めないといけないし、ピッチ内でもいろんなことが起こりうるので、精神的な準備が求められると思う」。

 準備期間はわずか。まずは10日夕に試合会場で行われる公式練習で、強度の高いトレーニングを行っていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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