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W杯最終予選で初先発…DF山根視来を襲った重圧「負けてしまったら…ということも考えた」

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日本代表のDF山根視来(川崎F)

 日本代表のDF山根視来(川崎F)が12日、オンライン取材に応じ、カタールW杯アジア最終予選で初出場となったベトナム戦(○1-0)を振り返った。苦戦しながらも掴んだ白星に「勝ち点3が必要だったし、達成できたことをホッとしている」と喜びを語った。

 チーム全員が初めて揃った10日の前日練習、山根は戦術練習に「自分の名前があった」ことで先発起用を知った。「呼ばれている以上は出たいと思っていたし、出る準備をしてきていたので、ここでしっかりプレーして、明日の試合につなげるぞと思っていた」。練習でのパフォーマンスも評価され、試合でも川崎Fと同じ右サイドバックでピッチに立った。

 今大会ではすでに2敗を喫しており、崖っぷちで迎えた最終予選。大きな重圧はのしかかっていたという。

「勝たなきゃいけない試合で、負けてしまったらということを考えて、日本サッカーがどうなるのかももちろん考えたし、そういう舞台に立つというところで、経験したことないプレッシャーを感じながらやっていた」。

 それでものしかかるプレッシャーを受け止める準備はできていた。

「やっぱり大きなプレッシャーを感じていた時ほど勝った時の喜びは大きいので、せっかくなのでこの舞台を楽しもうと思ってやっていた」。

 試合が始まると前半は硬さも見られたが、時間が経つにつれて持ち味のゲームメークも随所に披露。90分を通してみれば、初先発とは思えないほど落ち着きのあるパフォーマンスを発揮した。

 ピッチ上で見せたプレーと同様、試合中の状況についての振り返りも冷静だった。

 右サイドでユニットを組むMF伊東純也(ゲンク)との関係性では「一人で縦に行き切ってクロス、シュートを打てる選手なので、人を引き連れない方がいいかなと思う部分もあった」と配慮をたやさず、「後半は僕がフリーで持った時に裏に走るのを見逃さないよう意識していた」と修正も試みていた。

 また右インサイドハーフのMF田中碧(川崎F)とは「相手のフォーメーションや守り方的にサイドバックの僕に時間がすごくあったけど、意外と間につけると相手との距離が近くて危険になると感じながらやっていてので、碧に『ここに入って欲しい、ここに流れてほしい』と逐一コミュニケーションを取っていた」と川崎Fも見せた関係性を代表にも落とし込んでいたという。

 さらに自身のプレー判断においても「何回か3人目で受けたいシーンもあったりしたので、そこを共有できたらいい」と向上心をアピール。「あとはああやって引いてくる相手、頑張ってスライドしてくる相手に横の揺さぶりは聞くので、早くやるところとゆっくりやるところ、時間のある選手がゲームメークしていく必要がある」と今後の展望も語った。

 DF酒井宏樹(浦和)のコンディションが思わしくない中、欧州組のDF室屋成(ハノーファー)を制して掴んだ出番。今後の代表定着に向けても、大きな手応えを得たはずだ。

 それでも山根は酒井への意識を問われると「外から見るのと中でやるのは違うので経験できたのは大きいけど、僕はまだ1試合で、あの人(酒井は)何試合も経験していて、経験値が違う」ときっぱり否定。「経験したものを自分の中で消化してレベルアップにつなげていかないといけない」と先を見据えていた。

 だからこそ、この経験をもう1試合、また1試合と続けていく構えだ。

 16日に控えるオマーン戦は9月のリベンジもかかる一戦。「オマーンはすごく統率が取れていて、90分間スライドしてハードワークをサボらないチーム。個人の能力も高い選手がいて、難しい相手だと思う。その中でも自分が出た時のイメージは大阪でやった時も持っていたので、そういうところを出していければ」と力強く意気込みを語った。

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