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左SBで存在感見せる中山雄太の“強み”「最終予選の難しさを知らないぶん突っ走って行ってもいい」

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DF中山雄太(ズウォレ)

 カタールW杯アジア最終予選ベトナム戦の後半18分にDF長友佑都と交代でピッチに入り、1-0の勝利に貢献したDF中山雄太(ズウォレ)が12日、オンライン会見に出席した。出場機会を着実に伸ばしているDFはベトナム戦について振り返りつつ、オマーン戦に向けての意気込みを語った。

 ベトナム戦では1-0とリードしつつも、追加点が欲しい状況での投入となった。

「1-0という展開で、失点は絶対にしてはいけないという意識と、自分の特長であるビルドアップから安定させたいというところの意識だった」。

 ベトナム戦後のオンライン会見では森保一監督が「中山雄太は左利きの特徴を活かして、われわれが勝っている状況で(中山と同時に投入した)浅野のスピードを活かし、前線にパスを配給するという部分(を期待した)」と説明。その言葉と重なるものだった。

 ただし、これだけではないところが中山の良さだ。

「僕が入る時点で(浅野)拓磨くんが同時に入るタイミングだったので、僕らがフレッシュさを出すあまりに、中の選手とギャップが生じないように、僕らだけが攻め急がないように全体のバランスを意識しながら入っていった」。技術やフィジカル以外も評価されてきた理由が言葉からうかがえる。

 東京五輪世代ではチームの立ち上げ時からほぼキャプテンを任されてきた。しかし、今はカタールW杯出場を目指すチームで個人としても下剋上していかなければならない立場にいる。だからこそ武器にしたいと考えているのは“怖いもの知らず”の強みだ。

「最終予選の難しさを僕はまだ分かっていない状況なので、その難しさを知らないまま突っ走っていきたいというのがある。前だけを向いて、危なくなったらベテラン選手がうまく手綱を引いてくれると思う。若ければ若い選手ほど最終予選の難しさを知りたくてもできないが、逆に知らないぶん突っ走って行ってもいいのではと思う」

 W杯アジア最終予選では9月の2試合はベンチで戦況を見つめるのみだったが、10月シリーズから出場し始め、サウジアラビア戦では90+1分から、オーストラリア戦は85分から、ベトナム戦は63分からの出場と、徐々に出場時間を伸ばしている。この間の先発はずっと長友佑都だが、長友とは特徴の異なる中山が、じわりじわりと存在感を上げてきている印象もある。

「オマーン戦に出場するチャンスがあったら、僕が出たからこその良さを見せていきたい」。静かな口調の中に闘志を燃やした。

(取材・文 矢内由美子)
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