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3ボランチ起用を熱望…原口元気の決意「サッカー人生が変わる試合に」

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日本代表MF原口元気(ウニオン・ベルリン)

 日本代表MF原口元気(ウニオン・ベルリン)にとって、16日のカタールW杯アジア最終予選オマーン戦はリベンジをかけた一戦となる。13日のオンライン取材対応では「モチベーションを上げる要素は揃っている」「個人的にすごくいい状態」と前向きな言葉を連発。ドイツでの進化をピッチ上で表現すべく、トレーニングからアピールを続けているようだ。

 原口は9月に行われた最終予選初戦のオマーン戦(●0-1)に左サイドハーフで先発したが、精彩を欠いたプレーが続きハーフタイムに途中交代。その後チームは終盤の失点により0-1で敗れ、苦しい船出を強いられた。また原口自身もその後はスタメンから外れ、途中出場での起用が続いていた。

 日本代表活動で不調が続いていた一因には、所属先と日本代表でのポジションの違いもあった。ブンデスリーガでは昨季のハノーファーでのトップ下、今季のウニオン・ベルリンでのインサイドハーフと中央でのプレーが中心。一方、日本代表では他の選手のキャラクターもあり、サイドハーフとして考えられていた。

 原口は9月の活動期間中の取材対応で「チームではほぼ真ん中でプレーしていたので、簡単に言うとフィジカル的な部分で求められているものが違う。真ん中でのプレーに慣れていると、サイドでのアップダウンが久しぶりになり、体力的に違う部分があった」と述べ、「ウニオン・ベルリンでも真ん中でプレーするし、でも代表に来たらサイドということなのでコンディショニングも考えないといけない」とギャップを語っていた。

 ところが今回、原口に中央でプレーするチャンスが訪れた。11日に行われたベトナム戦では、10月のオーストラリア戦に続き4-3-3のシステムが採用された中、MF守田英正が2枚目のイエローカードを受け、オマーン戦の出場停止が決定。森保一監督はベトナム戦で、守田に代わって原口をインサイドハーフで交代起用したのだ。

 オマーン戦では先発に返り咲くチャンス。原口は「もし4-3-3でやるならすごく大きなチャンスだと思うし、ウニオン・ベルリンでも3ボランチでプレーしているので、ポジション的にもフィットすると思う。どっちでやるかわからないけど、4-3-3ならやりやすさはあるし、イメージしやすい」と前向きに語る。

 また前回のオマーン戦での悔しさもぶつけていく構えだ。「その試合に出ていたし、前半だけで代えられた。モチベーションを上げる要素は揃っている。個人的にはこの悔しさが大きなパワーになると理解している。いい感じできている」。ギラギラした思いも明かした原口は、自身のプレーイメージを次のように話した。

「ボックス・トゥ・ボックスなら一番走れると思うし、そういう試合展開になったら自分の良さが出る。ただ勘違いされたくないけど、そこだけで試合に出ているわけではない。ウニオンではつなぎの部分もやっている。そのポジションで出ればパフォーマンスを出せる自信があるので、チャンスが欲しいなと思う」。

 ここまで5試合4得点と攻撃力に課題を抱えている森保ジャパン。原口が見据えているのは3ボランチのインサイドハーフとして、攻撃に出ていく場面の役割だ。

「ウニオンで3枚のボランチでやっているけど、トップ下に入ってプレーすることもやっているので、そこの使い分けは特長になるかなと思う」。所属先でのイメージも語った原口は「ビルドアップに人数をかけてゴール前に迫力がないと意味がないので、その辺のバランス。ボランチ3枚がビルドアップに比重が行ってしまうと、サポートが少なくなるのでそこが大事だとベトナム戦を見ながら思っていた」とテコ入れを進めていくつもりだ。

 ロシアW杯最終予選では初戦黒星で「突破確率0パーセント」と称されたハリルジャパンで3試合連続ゴールを挙げ、W杯出場への逆襲を牽引した経験も持つ原口。ここから5年前と同じようなパフォーマンスを発揮していけると考えている。

「自分のことはすごく自分が一番わかっていると思っていて、いま個人的にコンディション的にも気持ち的にもすごく良い状態。あの時と同じようなプレーがいまできると思っている。キーポイントになる試合ってサッカー人生であるんですよ。そういう試合をまたやりたいなと思っている。人生が変わる、サッカー人生でポイントになるような試合は多々あったけど、日本代表でもそういう試合を久しぶりにやりたい。ポジションを奪っていける試合を久しぶりにやりたい。出られれば状態がいいのでそういう試合をするチャンスかなと思う」。

 舞台は整った。ドイツで積み上げてきた新たなスタイル、カタールを目指す戦いの中でくすぶらせてきた悔しさ、目の前に迫ってきた“新たな本職”でのチャンス——。原口元気はサッカー人生をかけ、リベンジマッチ・オマーン戦に臨む。

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