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2年続けての全国準優勝。“3度目の正直”に挑む青森山田は初戦で大社と激突!松木「青森に優勝旗を持って帰りたい」

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3年ぶりの日本一を狙う青森山田高は初戦で大社高と対戦!

 一昨年度、昨年度と2大会連続で全国準優勝。“3度目の正直”で3年ぶりの全国制覇を目指す青森山田高(青森)は、2回戦となる初戦(21年12月31日)で島根県代表の大社高と戦うことが決まった。U-22日本代表MF松木玖生主将(3年、FC東京内定)は抽選会後の「対戦校インタビュー」で「まずはこうやってコロナ禍の中、開催するに当たって関わってくださった方々にしっかり感謝したいと思います」と周囲への感謝を口にしつつ、「まずは初戦を大事に、大社高校と当たりますけど、先を見ずに“一戦必勝”ということをテーマに、青森山田らしいサッカーをして、勝ちに行きたいと思います」と意気込みを語っている。

 インターハイ王者であり、高円宮杯プレミアリーグ、高校選手権との三冠達成に注目の集まる青森山田が初戦で対峙するのは、2年連続で県内最大のライバル・立正大淞南高を破って全国へと勝ち上がってきた大社だ。この両者は2015年度の第94回大会でも1回戦で激突。大社が前半に2点をリードする展開となったが、最後は後半アディショナルタイムに決勝点を挙げた青森山田が、3-2と逆転勝利を収める結果となった。

 大社のMF角凌太主将(3年)は「高校サッカーと言えばまず青森山田さんが出てくるぐらい名門のチームなので、対戦するのが凄く楽しみなんですけど、リスペクトの気持ちを忘れず、全力で勝ちに行きたいと思っています」とコメント。高校年代最強とも評される難敵との対戦を歓迎している様子が窺えた。

 今シーズンの青森山田は、高円宮杯プレミアリーグEASTでも並み居るJクラブユース勢を抑えて首位を快走しているが、シーズン開幕時は昨年度のチームからディフェンスラインが総入れ替えとなったため、守備面に不安を抱えていた。
 
 それでも、ハイレベルなリーグ戦を1試合1試合戦うごとに、DF三輪椋平(3年)とDF丸山大和(3年)を中心とした守備の安定感は逆にチームの強みに。黒田剛監督もその確かな成長を認めている。

 福井で開催されたインターハイでは、6試合で30得点3失点という凄まじい数字を残して日本一に。とりわけ19年度の高校選手権決勝で敗れた静岡学園高(静岡)とのリターンマッチとなった準決勝では、全国屈指の攻撃力を誇る相手をシュートゼロに抑え、4-0で完勝。試合後には辛口の指揮官も「100点満点のゲームだったかなと思います」と絶賛するなど、その強さを存分に見せ付けた。

 今回の選手権予選でも、成長の跡を披露した。5年連続での同一カードとなった八戸学院野辺地西高との決勝は、先制を許す意外な展開に。思い出されるのは今年のインターハイ決勝。米子北高(鳥取)相手に1点を先行され、攻めても攻めても得点を奪えず、後半終盤に何とか追い付き、延長後半のラストプレーで決勝ゴールを挙げたものの、ビッグマッチで苦しんだ経験はチームの中に確かな経験として息衝いていた。

「たとえ点数を入れられても、自分たちらしいサッカーをすれば勝てるということはみんなが思っていたことなので、焦らなかったですね」と話したのは松木。失点の2分後に追い付くと、ファイナルスコアは5-1。慌てず、焦らず、自分たちの力を信じて、次々と得点を重ねる姿は王者の風格十分。敗れた八戸学院野辺地西を率いる三上晃監督の「強い。強すぎです」という言葉は、今年の彼らと戦ってきた多くのチームの感想を過不足なく代弁している。

 抱えるタレントも実に豊富。FC東京への入団が内定した松木を筆頭に、こちらも町田内定が決まった高校年代屈指のボランチとして知られるMF宇野禅斗(3年)、今月のU-18日本代表候補合宿にも招集されているMF藤森颯太(3年)、インターハイでも4ゴールを挙げたFW名須川真光(3年)など、全国トップクラスの逸材が揃い、トレーニングから激しい競争が繰り広げられてきた。

 過去2年の全国準優勝をピッチで味わっている松木は、この日の「対戦校インタビュー」でも「1年生の時に出ていて、凄く悔しい想いもしてきましたし、自分が3年間高校で積み上げてきたものを出す集大成の大会だと思うので、青森に優勝旗を持って帰りたいと思います」と力強く言い切った。

 22年1月10日。新・国立競技場で優勝カップを掲げる瞬間を見据える青森山田が、今年も全国の舞台に堂々と帰ってくる。

(取材・文 土屋雅史)

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