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「自分に課された使命はある」と覚悟を見せる酒井宏樹…負傷回復には慎重な姿勢も

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日本代表DF酒井宏樹

 勝ち点3奪取がマストのW杯アジア最終予選オマーン戦に挑む日本代表DF酒井宏樹(浦和)が、敵地での本会場練習を前にオンライン会見に応じた。

 酒井は11月3日のJ1リーグ第34節川崎F戦で足の付け根を負傷。その影響で11日のアウェーでのベトナム戦はベンチ外だったが、オマーンに着いてからは全体練習を再開しており、「練習の中でもやれることが増えてきていて、自分でも上がってきていると感じている」と前向きに語った。

 一方で、当初の見立てよりも回復に時間がかかっていることも吐露した。「筋肉(系のけが)なのですごく慎重にやっている。もっと早く治ると思っていたので、そこは本当に申し訳ない」。森保一監督の信頼が厚い分、「だからこそ生半可な気持ちで『できます』とは言えない。完全に戻った状態でできると伝えたいと思う」と慎重だ。

 それでも出場がかなえば、攻撃面では現在の森保ジャパンで最大の武器となっているMF伊東純也の突破力を最大限に引き出すことを念頭に置いてプレーすることになりそうだ。酒井が感じているのは、相手がチーム戦術をしっかり分析し、対策を立てている時こそ伊東の個の力が生きてくるということ。

「純也みたいに個人ではがせる選手は、戦術対策をしてくる相手には脅威でしかないと思う。それをしっかりと出せるように、局面をみんなでカバーしあえる状況をつくっておかないといけない。周りの選手の長所を引き出させるように、短所をみんなで補う作業が大事になってくると思う」

 ホームで行われた9月の最終予選初戦では、まさかの黒星を喫したうえに内容でもオマーンに上回られた。当時の酒井は、フランスリーグのシーズンを終え、東京五輪にOA枠で出場し、移籍した浦和でもフル出場を続けていたことで疲労がピーク。オマーン戦後には代表離脱を余儀なくされた。

 今回はホームで黒星を喫した屈辱を晴らさなければならない一戦。
「とにかく勝つしかない。あれだけ悔しい思いをしましたし、見ている人にとっても嫌なスタートを切らせてしまった。その点も含めて僕らには責任がある。ここでしっかり払しょくしていきたい」と言葉に力を込める。

 アウェーでのオマーン戦は9年前の12年11月14日にあったブラジルW杯アジア最終予選以来となる。酒井は右SBでフル出場し、2-1の勝利に貢献した。「自分に課された使命はある」と語る酒井の回復に期待したい。

(取材・文 矢内由美子)
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