beacon

2年連続全国4強の帝京長岡。福田と大迫を擁する神村学園。優勝候補同士が初戦でいきなりの対峙!

このエントリーをはてなブックマークに追加

悲願の日本一を狙う帝京長岡高はいきなり初戦で神村学園高と激突!

 初戦でいきなりのビッグマッチが実現する。第100回全国高校サッカー選手権の組み合わせ抽選会。リモート抽選で次々と対戦カードが確定していく中、2年続けて全国4強を経験している帝京長岡高(新潟)の対戦校が、なかなか決まらない。東のチームで最後の2校まで残ったのは山梨学院高(山梨)と帝京長岡。そして、佐賀東高(佐賀)が前回王者との対戦を引き当てた瞬間、神村学園高(鹿児島)と帝京長岡の激突が決定した。

「対戦校インタビュー」でもお互いについて、ポジティブなイメージをぶつけ合う。帝京長岡のMF三宅凌太郎主将(3年)が「神村学園さんは説明せずとも全国に名を馳せた強豪校ということでワクワクしています」と話せば、神村学園のMF畠中健心副主将(3年)も「お互いにテクニックを大切にしているチームだと思うので、とても楽しみです」とマスク越しに笑顔。好チームとの対戦が待ち切れない様子が窺えた。

 一昨年度、昨年度と全国の舞台でベスト4まで勝ち上がっている帝京長岡だが、今年は春先から苦しいシーズンを送ってきた。GK佐藤安悟(2年)、DF桑原航太(2年)、湘南内定のDF松村晟怜(3年)、MF佐々木奈琉(3年)など、ディフェンス陣には全国経験者が揃っていたものの、なかなかアタッカー陣の顔ぶれが定まらない。

 本来はボランチや最終ラインでプレーしてきた三宅を前線にコンバートしつつ、U-17日本代表候補のMF廣井蘭人(2年)を軸に攻撃面をブラッシュアップしてきたが、得点力不足は否めず、インターハイ予選も準決勝で敗退。松村の長期離脱も重なって、チームのエネルギーが1つになり切らない時間が続く。

 だが、プリンスリーグ北信越で少しずつ勝利を重ねながら自信を纏っていくと、2年間はケガでほとんど公式戦の出場機会のなかったFW渡辺祐人(3年)がストライカーとして覚醒。選手権予選でも準決勝、決勝と続けて決勝ゴールを叩き出し、ラストピースとしてチームにピタリとハマってみせた。

「シーズン当初はどうなるかなという形ではスタートしたんですけど、最後に徐々に徐々にウチらしくなってきたかなというところと、粘り強さが出てきたかなというところで、それもやっぱり去年一昨年の経験をうまく生かして、今年のチームらしくなっていっているのかなと思います」と話すのは古沢徹監督。“4強超え”を狙えるだけのチーム力は、確実に備わってきている。

 一方の神村学園はこの夏のインターハイで8強進出。「対戦校インタビュー」でチームの特徴を問われた畠中が「見ていて楽しい、やっていて楽しい、超攻撃的サッカーで点を獲るところです」と口にした通り、技術に優れたタレントが流動性の高いアタックを披露し続ける“超攻撃的サッカー”は、全国でも屈指の破壊力を誇っている。

 注目は年代別代表の常連でもあるFW福田師王(2年)とMF大迫塁(2年)の両アタッカー。インターハイでも得点王に輝いた福田は、ハットトリックを達成した試合後でも「もっと決められるところもあったので、そこはもっと求めていきたいと思います」と口にするような、とにかく貪欲なゴールへの姿勢が持ち味。今大会は13年前に大迫勇也(神戸)が記録した、1大会10得点という大会得点記録の更新を虎視眈々と狙っている。

 また、大迫は高精度を誇る左足のキックはもちろん、ゴールに絡むセンスは世代随一。アシストだけではなく、自身で得点を奪える力も有しており、“怖さ”を感じさせるレフティへと着実に成長を遂げてきた。

 ただ、目立つのは彼らだけではない。右のMF若水風飛(3年)、左のMF篠原駿太(3年)の両サイドハーフはとにかく縦に運べ、中盤では運動量に優れた畠中がタレント揃いの前線を束ねる。左SBというポジションに囚われず、ピッチの至るところに顔を出せるキャプテンの抜水昂太(3年)は負傷の影響で全国出場は不透明だが、1人1人の基礎技術の高さは目を見張るレベルにある。

 悲願の日本一を目指す帝京長岡にとっても、鹿児島県勢17年ぶりの全国制覇を狙う神村学園にとっても、この初戦に勝利すれば、それ以降を勝ち上がっていく上で、格好の勢いが付くことは間違いない。

「100回大会ということで、日本一を目指して頑張りたいと思います」(三宅)「強い鹿児島をもう一度取り戻せるように、優勝を目指します」(畠中)。好ゲーム必至。大会屈指の攻撃力をぶつけ合うであろう両者の対峙に、歴史に残る名勝負の予感が漂う。


●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 地区大会決勝ライブ&アーカイブ配信はこちら

TOP