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成長示すヘッド弾に60m超のスーパーゴール。FW福田師王は圧巻2発も「帰ってまた成長してきたい」

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後半31分、U-18日本代表候補FW福田師王(右から2人目の青)が自陣センターサークル手前から60m超のスーパーゴール

[11.17 練習試合 U-18日本代表候補 3-3 横浜FM JFA夢フィールド]

 1点目はDFとの駆け引きで上回り、ダイビングヘッドでの“らしいゴール”。2点目は自陣センターサークル手前から打ち込んだ60m超の超絶ゴールだった。

 それでも、U-18日本代表候補FW福田師王(神村学園高)に満足感は無し。個でサイドを攻略して決定的なシュートを打ち込むシーンもあっただけに、「結果で見せれるところはあったんですけれども、チームが勝っていない。あと1点欲しかった。もっとボールを収めることができたと思う。チームに帰ってまた成長してきたい」と成長すること、チームを勝たせる“真のストライカー”になることを誓っていた。

 本人はこの1年間での成長について、オフ・ザ・ボールの動きを挙げる。1点目は、以前苦手としていたクロスへの入り方を改善し、武器にしたことによって生み出したゴールだった。後半12分、U-18日本代表候補は、右サイドでのパス交換から抜け出したMF藤原健介(磐田U-18)が鋭いクロス。「クロスに入るスペースは常に探している」という福田はGKの手前へ飛び出すと、膝ほどの高さのボールに「身体が勝手に動いた」というダイビングヘッドでゴールを破った。

 ピッチの外にいてもゴールをどう奪うか常に考えている。後半開始からの出場となったこの日、ベンチから相手GKのポジションニングがかなり高いことを確認。2-3の後半31分には自陣中央でインターセプトすると、迷わず60m先のゴールへ向けて右足を振り抜いた。ボールは必死に背走したGKの頭上を越えてゴールイン。幾度か50m級のゴールを決めているという福田は、平然とした表情で「これから(また)自信を持って狙えるかなと思います」と語っていた。

 高校2年生の福田は、同じ鹿児島県出身の日本代表FW大迫勇也(現神戸)と比較される万能型のストライカーだ。試合後のオンライン記者会見では、鹿島時代にチームメート、またコーチ・選手の関係として大迫と関わっているU-18代表候補・大岩剛監督に対し、2人のFWを比較する質問も。大岩監督は「現在の年齢であれだけのポテンシャルがある。今後、色々な形でステップアップしていく中で色々な壁に当たると思いますが、勇也が超えていったように彼も超えて行くんじゃないかと思います」と期待していた。

 福田はクロスへの入り方を克服したように、課題を見つけ、それを克服することを繰り返して大迫と並び、超える選手へ。「シュートの本数やどこからでも常にゴールを狙える持ち方がまだ全然足りないと思います」(福田)。チーム、代表、そして進路を決めるための練習参加と多忙な高校生ストライカーは怪我をしないように気をつけながら、“半端ない”FWへの階段を上って行く。

 12月28日には、自身2度目の全国高校サッカー選手権が開幕。所属する神村学園は2回戦(12月31日)で2年連続3位の帝京長岡高(新潟)と対戦することが決まった。テクニカルなチーム同士の注目カードから始まる選手権。「(怪我のために主将の抜水)昂太さんが出れない。自分がその分決めて、昂太さんを笑顔にしたい」。目標は全国制覇。「その道で最も優れた人になる」という意味を込められて名付けられられたという「師王」が、ゴールを極めて仲間たちや日本中を笑顔にする。



(取材・文 吉田太郎)

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