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京都共栄との一進一退の攻防制して3年ぶりV!インハイ8強の東山が京都制覇、全国初戦で市立長野と対戦へ

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3年ぶりの全国大会出場を決めた東山高イレブン

[11.13 選手権京都府予選決勝 東山高 2-1 京都共栄高 サンガS]

 第100回全国高校サッカー選手権大会・京都大会の決勝戦が11月13日にサンガスタジアムbyKYOCERAで行われた。快晴の下、有観客で行われた注目の一戦。勝ち進んできたのはインターハイ京都府代表として全国ベスト8の東山高と、ここ数年で力をつけて安定した成績を残している京都共栄高。3年前と同じカードで、第100回大会への切符をかけて戦うことになった。

キックオフからしばらくは、両チームともロングボールを使いながら攻撃を仕掛ける。ファーストシュートは京都共栄が放ち、その後も左サイドから攻撃を仕掛けていく。8分にはFW後藤寛斗(3年)が左サイドを抜け出した折り返しを、エリア外からMF平井健太郎(3年)がミドルシュートを放つが枠を捉えない。

 そんな中、先制点は14分に東山が奪う。左サイドでパスをつないでFW中野翔真(2年)からFW藤枝康佑(3年)へボールが渡ると、藤枝がセンタリング。このボールを共栄DFがエリア内でクリアし損ねてしまい、走りこんだMF阪田澪哉(2年)がドリブルからシュートを決めてスコアを動かした。東山は27分にも藤枝がドリブルで持ち込んでシュートを放つなど追加点を狙う。

東山は2トップの一角にFW中野を起用。今大会は初戦からベスト8まで前線の軸となる藤枝のパートナーにFW北村圭司朗(2年)を起用していたが、ベスト4に続いて決勝でも中野を起用。長身で体が強い中野にボールを当てて起点とし、そこから攻撃を繰り出していく。

 だが、京都共栄も次第に対応できるようになり、前半終盤には中野へ入るボールをDFモトハシヨシト(3年)が抜群の跳躍力やフィジカルの強さで立て続けに跳ね返す。チームとしても積極的なプレスと球際や空中戦の強さを押し出して、流れを引き寄せようとする。32分に左サイドからFW増田宗(3年)が上げたクロスのクリアをMF山口遼馬(2年)が拾ってシュートを放つと、前半終了間際にもDF朝長舜希(2年)がミドルシュートを狙うなど、チャンスを作り出した。前半は1-0の東山リードで折り返した。

 後半も一進一退の攻防が続く。東山は後半19分に準決勝で1ゴール3アシストの活躍をみせたMF上田幸輝(2年)を投入すると、その直後に上田は相手DFラインを背後を突いてループシュートを放つが、惜しくもバーの上を叩く。

 京都共栄も25分、ボランチのMF乾悠生(2年)のフィードを受けた後藤が左サイドから仕掛けて右足を強振。これは相手DFに当たるが、そのこぼれ球を増田がシュート。東山GK佐藤瑞起(2年)がセーブしたこぼれ球を、最後は平井が押し込んで同点に追いつく。前半からサイドを狙う攻撃が、ようやく功を奏してゲームを振り出しに戻した。

東山は失点数分前に右SBへDF石原麟太朗(3年)を投入するなど、相手のサイド攻撃を封じようとしていたが、食い止められなかった。それでも選手たちは下を向くことなく、互いに声を掛け合って士気を高める。すると32分、好機が到来する。左サイドからMF松橋啓太(2年)がロングスローを放ち、そのクリアボールを左サイドで拾った松橋は攻め上がるDF仲里勇真(2年)とスイッチするようにボールを渡すと、仲里が正確な左足クロスを上げ、これを藤枝がヘッドで押し込んで決勝ゴールを決めた。

 京都共栄も攻撃的な選手を投入してゴールを目指す。J3富山に入団するMFガブリエル・エンリケ(3年)を負傷で欠く中、最後まで懸命に戦ったがスコアを動かすことはできなかった。試合は2-1で東山が勝利。3年ぶり4度目の優勝を飾り、全国への切符をつかんだ。東山は全国大会初戦(2回戦、12月31日)で市立長野高(長野)と対戦する。

(取材・文 雨堤俊祐)
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