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阿部勇樹の薫陶、宇賀神友弥の道。浦和MF伊藤敦樹が1ゴール1“アシスト”で勝利に貢献

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浦和レッズMF伊藤敦樹

[11.20 J1リーグ第36節 浦和 2-1 横浜FM 埼玉]

 ベテラン3選手が今季限りでチームを去ることを発表した浦和レッズが、次代の中心選手の活躍で3試合ぶりの勝利をもぎ取った。1得点1“アシスト”と殊勲のプレーを演じたのは、育成組織出身の23歳MF伊藤敦樹だ。

 まずは前半18分のセットプレー。FKのこぼれ球にファーサイドで反応し、1-0。自身のJ1リーグ初ゴールが貴重な先制点となった。後半の立ち上がりには絶妙な“スルー”と積極的なシュート意欲で追加点に絡んだ。後半3分、伊藤は自陣でボールを持つと、左サイドに開いたFW江坂任にパスを出して加速しながら前進。江坂が折り返すと、これをスルーして相手DFのハイラインの裏を取り、MF関根貴大からパスを受けた。

「(江坂)任さんからリターンもらうときに、(関根)タカ君の位置を自分の中でしっかりと把握できていたので、あのスルーの判断ができたのかなと思う」

 伊藤が試みたシュートは相手GKに吸い込まれそうになったがうまくこぼれ、これを右サイドから駆け上がったMF田中達也が決めた。「奪ってから速く攻めるところは攻めようと思っていた。あのような場面では、自分は前に出ていこうと思っていたので、それがしっかり点につながった」と自画自賛だ。

 今週、MF阿部勇樹、DF槙野智章、DF宇賀神友弥の3選手が今季限りでチームを去ることが発表された。中でも宇賀神は同じ埼玉県出身。浦和の育成組織で育ち、流通経済大を経て浦和に加入しており、伊藤と同じルートを歩んできた先輩だ。

「ウガさんはレッズユースから流大(流通経済大学)に行って、レッズに戻ってくるという同じ経歴。自分がユースからトップに上がれずに流大に行った時には、ウガさんはもうレッズで活躍していた。ユースの時や大学の時に目標としていた選手の一人。そういう道もあると示してくれていたのがウガさんだった。同じ道をたどって、ここに戻ってこれたことは、ウガさんがこの道を切り開いてくれたのが大きかったと思う」

 阿部とは今季開幕当初、ダブルボランチでコンビを組み、ピッチ内外で多くのことを学んだ。

「(ピッチ内では)近くでプレーしていて危機察知能力やポジショニング。ピッチ外では毎日のトレーニングに対する姿勢や、準備の大切さ。このような選手が長くプレーするのだと学んだ」

 槙野も含めてこの後、3選手とともに戦うのはJ1リーグ2試合と天皇杯のみだ。他会場の結果により、来季ACL出場権獲得となる3位フィニッシュの可能性は消滅したが、天皇杯優勝に向けて勢いのつく勝利。「残りの試合で感謝の気持ちというか自分が成長した姿を見せたい。一緒に喜び合いたい」と言葉に力を込めた。

(取材・文 矢内由美子)
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