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近江にPK戦で敗戦の東山は選手権への糧に。福重監督はU-17高校選抜3人衆へ「選ばれ続けること」を求める

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東山高の10番MF真田蓮司がドリブルで前進。U-17日本高校選抜合宿でアピールを目指す

[11.20 プリンスリーグ関西プレーオフ1回戦 近江高 0-0(PK3-1)東山高 J-GREEN堺]

 選手権では同じ轍は踏まない――。22年の高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ関西参入を懸けたプレーオフ1回戦が20日に開催され、選手権京都府代表の東山高近江高(滋賀)と対戦。0-0からのPK戦の末、1-3で敗れた。

 東山は京都府1部リーグで優勝。プレーオフの大会要項に「(プレミアリーグ参入などで不足がある場合は)プレーオフ1回戦で敗退したチームから2部リーグへ参入するチームを調整する」と記されており、来季のプリンスリーグ関西2部へ参入する可能性が高そうだ。それでも、チームの目標はプレーオフで2勝してのプリンスリーグ関西1部昇格だっただけに、悔しい敗戦となった。

 福重良一監督は選手たちへ向けて、「選手権でも起こりうることやから、きっちり決めるとか、やらなアカンことをやるとかいうことを勉強したやろ。きょうの敗戦は取り戻せないので、選手権で同じ轍を踏まないように」と言葉を掛けたという。3年前はインターハイで3位となり、選手権で上位進出を目指したが、初戦で丸岡高(福井)にPK戦敗退。選手権を前に、決め切ること、勝ち切ることの大事さを再確認する試合となった。

 選手権予選から配置を変え、「トライしてその中でも勝たなアカン」(福重監督)とチャレンジした近江戦。U-17日本高校選抜に選出されたMF阪田澪哉(2年)が前半だけでシュート3本を放ったほか、選手権予選決勝で決勝ゴールのFW藤枝康佑(3年)が惜しいシュートも。だが、各選手がモチベーション高く戦う近江の前に思うような試合運びができず、DF大隅颯(3年)やGK山田和季(3年)中心にゴール前も堅い近江から1点を奪うことができない。

 逆に相手の速攻を受け、切れのある動きを見せていた10番MF上甲海琴(3年)やFW竹田泰知(3年)にシュートを許してしまう。それでも、U-17日本高校選抜CB新谷陸斗(2年)のシュートブロックなどで要所を封じ、同じくU-17日本高校選抜のMF真田蓮司(2年)の配球などから1点を目指した。

 選手を入れ替えた後半はボールを保持する時間や押し込む時間を増やし、MF松橋啓太(2年)のロングスローを交えてゴールをこじ開けにいった。だが、MF李隆志(3年)や藤枝の決定的なシュートが近江GK山田に阻まれるなど、90分間で試合を決めることができず。即突入したPK戦で1人目と2人目が相次いで近江GK山田に止められると、4人目も枠を外してしまい、1-3で敗れた。

 選手たちは、この日の反省を選手権で活かすだけ。福重監督は24日から28日まで開催されるU-17日本高校選抜合宿に参加する3選手へ向けて「今回選ばれたけれど、選ばれ続けることに意味がある。選手権で活躍して次の活動に選ばれる、あわよくばメーンのU-18の高校選抜に選ばれるということ。それをメッセージとして伝えたい」と語った。選ばれ続けるために、今回の合宿はもちろん、選手権でアピールすること。そのためにも、トレーニングで個とチームの自力をつける。

(取材・文 吉田太郎)
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