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[MOM3686]大津MF森田大智(3年)_ 主軸2人欠場、強敵相手の「苦しい試合」で輝き、2発!

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後半42分、大津高のチームメートが祈る中でMF森田大智主将が右足PKを決める

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.21 高円宮杯プレミアリーグWEST第16節 G大阪ユース 2-2 大津高 OFA万博フットボールセンターG]

 この日は主軸2人が大学受験のために欠場。「2人いないということでそれを言い訳にはしたくなかったし、いない2人にもそれで負けたら申し訳ない」という思いを持って試合に臨んだ主将が2ゴールを挙げた。

 大津高(熊本)のU-18日本代表候補MF森田大智主将(3年=FCK MARRY GOLD AMAKUSA U15出身)はトップ下として先発出場。だが、G大阪ユースの技術力の高さの前に前線からの守備がハマらず、多くの時間帯でFWとして駆け回った。

 それでも、なかなか狙いとする形に持っていくことができない。奪ったボールが森田の下へ入っても、すぐに寄せられる展開。10番は高体連相手ではほとんどボールロストしないが、この日は球際で競り負けて奪われるシーンが増えていた。

 それでも、「いつもボールを失わずに流れ作ってという感じでやっているけれど、今日はやらせてもらえなかったので結果の部分を出さないといけないと思っていた」という森田には怖さがあった。立ち上がりにPAへ切れ込んでから放った左足シュートはファーポストに直撃。その後はなかなかPAで勝負するシーンが無かったものの、後半12分にファインゴールでスコアを動かした。

 左中間で前を向いた森田は、細かなタッチのドリブルでわずかにシュートコースを作り出して右足一閃。見事な一撃をゴール右へ突き刺した。森田は「苦しい試合の中で勝たせられれば良いと思っていた」。前半から10本以上のシュートを打たれながらも根気強く戦っていた味方に勇気を与える1点だった。

 この後追いつかれたものの、後半42分にMF農祥英(3年)が獲得したPKを右足で決めて2点目。「あそこ外していたらキャプテンだし、ヤバいなと。(ただし)2点取れたけれど勝てなかったのは悔しかったです」。2ゴールを挙げた喜びよりも、後半45分に追いつかれて引き分けた悔しさが上回った。

 いつもどおりのプレーができなかった部分があった。勝利へ導くこともできなかった。それでも、頑張りのきくエースはハードワークを貫き、フィニッシャーとしての怖さも発揮。苦戦が予想された試合で、その存在の大きさを改めて証明した。

 試合開始を控えた入場直前には、U-18日本代表候補合宿でともに活動したG大阪ユースのU-22日本代表MF中村仁郎主将(3年)と進路のことなどについて言葉を交わしていた。トップチームへの昇格を決めている中村は、世代のトップランナーの一人。森田は「U-22って結構遠い存在なんですけれども。自分はU-18でもまだ全然やれていない。まず自分の代の代表で……」。関東の名門大学へ進学予定のMFは毎試合ベストのパフォーマンスを続けながら、中村の背中を追い続けていく。

 今冬、チームとしての目標はプレミアリーグWEST制覇と選手権での日本一だ。「(8強の)インターハイは個人としても、チームとしても、悔しい結果に終わっているので、リベンジというか。自分は1年から試合に出してもらっている。最後、自分が活躍して、全国制覇して恩返ししたい」と誓った。この日できなかったチームを勝たせることにこだわり、今後の試合で勝ち続ける。

後半12分、右足シュートを決めて1点目

(取材・文 吉田太郎)
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