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オフサイドルール変更は見送りか…日本国内では議論沸騰もIFAB改正案に記載なし

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 サッカーの競技規則を定める国際サッカー評議会(IFAB)は25日、年次ビジネス会議(ABM)を開き、来年3月の年次総会(AGM)で議論する競技規則の改正案について話し合った。大きな改正案として注目が集まっていたのは、日本国内を中心に報じられていたオフサイドの新ルール。ところがIFABから公表された資料には記載がなく、来年度に向けた改正は行われないとみられる。

 オフサイドのルール改正は、元アーセナル監督で現在は国際サッカー連盟の幹部を務めるアーセン・ベンゲル氏らを中心に提唱されてきたもの。現行では「競技者の体の一部が相手競技者よりも前方にある」場合にオフサイドの対象となるが、新ルールでは「競技者の体の全部が相手競技者よりも前方にある」場合にのみオフサイドにあたるとされる。

 日本国内では今年5月以降、オフサイドの新ルール導入が確実なものとみられてきた。発端となったのはFIFA理事を務める日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長の発言。「議論は始まっているというよりは、終わっている。(改正は)来年7月1日になると思う」というコメントが大手メディアを中心に報じられたためだ。一方、海外メディアでオフサイドの改正が現実味をもって報じられた例は少なく、議論の内容も明らかになっていなかった。

 IFABは25日、公式サイトを通じてABMの内容を公表した。記載された主な議題は①5人交代制の恒久導入、②PKにおけるGKの足の位置(ゴールライン上にいる必要があるか、ゴールラインの後ろにいても良いか)、③脳震盪による追加交代制の延長、④ビデオアシスタントレフェリーシステムの進化(半自動オフサイドテクノロジーを含む)、⑤ハーフタイムの15分間から25分間への拡大—の5点のみ。オフサイドの基準変更に関するものはなかった。

 サッカーの競技規則改正は通常、例年秋の年次ビジネス会議で話し合われた改正案が翌年春の年次総会にかけられ、そこで承認されたものが夏の改正で導入されるという流れ。そのため、年次ビジネス会議の議題に上がっていないものが改正に至るとは考えにくく、オフサイドのルールが来年度に向けて改正される可能性はないとみられる。

 なお、今回の年次ビジネス会議の議題のうち、ハーフタイムの拡大は「長時間の休息によるプレーヤーの福祉・安全への潜在的なリスクがある」として反対意見が出され、改正案には乗らなかった様子。その他の議題については来年3月上旬にスイス・チューリヒで行われる年次総会で話し合われるようだ。

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