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J1残留争い直接対決を制したトリックプレー。徳島MF岩尾、置いて蹴るまで4秒「セットするのと待つと…」

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徳島ヴォルティスの先制ゴール

[11.27 J1第37節 湘南0-1徳島 レモンS]

 J1残留に望みをつなぐ徳島ヴォルティスの決勝ゴールは、豪快かつ繊細なトリックプレーから生まれた。

 0-0で迎えた後半21分だった。

 左サイドで突破を仕掛けたFW宮代大聖が相手のクリアを誘って左CKを獲得すると、MF岩尾憲はペナルティエリア大外に向かってストレートのフィードを展開。これに反応したのは直前まで左にいた宮代。エリア外から勢いに乗って飛び込み、ボレーシュートを放つと、相手GKが弾いたこぼれ球をDF岸本武流が押し込んだ。

 岩尾によると、トリックプレーの案はチームの分析担当が提示したもの。「うちのアナリストが非常に優秀で、相手のウィークポイントを研究してくれて、セットプレーの練習で提示してくれる」と明かした。

 その一方、セットプレーは「体現できるかが非常に重要」(岩尾)なのも事実。岩尾のボールも宮代のキックも決して簡単なものではなく、オンザピッチとオフザピッチがうまく噛み合った一発だった。

 また実現に至った背景には、蹴る前の工夫もあったという。

「昨日のトレーニングではしっかり(布陣を)セットしていたけど、セットするのと待つと相手に気づきを与えてしまったり、やることがバレてしまう。早くオーガナイズを作って速めに入れるのは今日の修正で入った」(岩尾)。

 蹴る直前には中の様子を見ながらゆっくりとコーナーフラッグに向かって歩いていった岩尾だが、ボールを置いて蹴り出すまではわずか4〜5秒。その瞬間、エリア内に入っていた7人のうち2人がマークの視線をおびき寄せながらエリア外に走り、エリア外にいた宮代はフリーでエリア内に入ることができた。

 試合後、湘南ベルマーレのDF舘幸希は「してやられた」と述べ、「自分たちも状況の把握がなかなかできていなくて、相手も7人目が入ってきてというところで、誰がどこについたほうがいいのかを全員が共通して理解できていなかった」と悔しそうに振り返った。

 このゴールが決勝点となり、徳島は湘南と勝ち点で並び、最終節にJ1残留の可能性を大きく残した。岩尾は「ただ、何も得ていない現状がある」ときっぱり。「今年最後のゲームになるのでしっかりと勝ち点3をホームで掴み取って、あとは天命を待つということに向かって1週間準備していきたい」と意気込みを語った。

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