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決勝Rは1得点0失点で勝ち点5獲得!! 小倉隆史氏率いるFC.ISE-SHIMAが地域CL6試合連続完封、驚異の堅守でJFL入替戦へ

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FC.ISE-SHIMA

[11.28 地域CL決勝ラウンド FC.ISE-SHIMA 0-0 おこしやす京都AC 味フィ西]

 全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)は28日、決勝ラウンド最終日を行い、第2試合はFC.ISE-SHIMAとおこしやす京都ACが0-0で引き分けた。この結果により、FC.ISE-SHIMAの2位が確定。一次ラウンドから6試合連続クリーンシートの堅守が光り、JFL入れ替え戦の出場権を手にした。

 第1試合でCriacao ShinjukuがFC徳島に勝利したため、キックオフ前の時点で残り一つとなったJFL入れ替え戦への切符。勝利したほうが得失点差など関係なしに進出決定、引き分けの場合はFC.ISE-SHIMAに軍配という条件の中、試合の主導権を握ったのは勝つしかないおこしやす京都だった。

 おこしやす京都は高い身体能力を持つFWイブラヒムにボールを集め、序盤からダイナミックな攻撃を展開。前半15分には右サイドからのクロス攻撃にイブラヒムが頭で合わせ、さっそく大きな決定機をつくった。だが、これは今大会一次ラウンドから無失点を続けるGK増田将が正面でセーブ。その後もFC.ISE-SHIMAは出足の鋭いプレッシングで相手の侵攻を最小限なものとし、ハーフタイムを0-0のまま迎えた。

 FC.ISE-SHIMAは後半2分、FW真野直紀の突破から可能性のあるカットインシュートが枠内を捉えたが、GK真田幸太の牙城を破れず。すると風上となったおこしやす京都の攻撃がさらに勢いを増していき、同5分にはDF瓜生紘大のFK、同8分にはMF貫名航世の左足シュートがいずれも枠をかすめ、得点の匂いがする場面が続いた。

 さらにおこしやす京都は後半18分、左に開いたイブラヒムがカットインシュート。同20分にもMF稲垣雄太のクロスからイブラヒムが頭で合わせ、いずれも精度を欠いたものの、ゴールは時間の問題かと思われた。ところが同27分、イブラヒムがピッチを後にすると、制空権はFC.ISE-SHIMAのほうへ。FW青戸翔、FW原一樹といったクオリティーの高いアタッカー陣が脅威を与えはしたものの、FC.ISE-SHIMAもDF中濱颯斗とDF中田永一を中心にボールを跳ね返し続けた。

 おこしやす京都は後半35分、真田のロングキックを原が頭でそらし、ゴール前に飛び込んだ瓜生がループ気味に狙ったが、見事に踏みとどまったGK増田が後ろ向きのジャンプでスーパーセーブ。終盤、おこしやす京都はDF尾本敬がセットプレーから強烈なヘディングシュートを放つも、これもGK増田に阻まれ、スコアレスのままタイムアップを迎えた。

 試合終了直後、壮絶な一戦を物語るかのように、最後まで耐え抜いたFC.ISE-SHIMAの選手の多くはピッチに倒れ込んだ。決勝ラウンド3試合では1得点0失点。ゴールは初戦の徳島FC戦でセットプレーから中田が奪った1点のみで、常に薄氷を踏むような接戦をモノにしてきた。予選ラウンドも沖縄SV戦(△0-0)、藤枝市役所戦(○2-0)、福井ユナイテッドFC戦(○2-0)と無失点で突破しており、驚異の堅守が目立つ大会となった。

 2018年末からクラブの理事長に就任し、今季から監督を兼任している小倉隆史氏は最終日の試合後、「決勝ラウンドに挑むにあたって僕らにとって厳しい戦いが続くのは分かっていたが、粘り強く戦った中で、6試合連続でクリーンシートを続けることができたのは選手たちの頑張り」と絞り出すように語った。

 コロナ禍で今季の東海社会人リーグはわずか5試合で終了。地域CLには輪番枠による出場となり、3日間で3試合が行われる一次ラウンド、5日間で3試合が行われる最終ラウンドともに厳しい戦いとなったが、これを切り抜けられたのは昨季の厳しい経験があったという。

 昨季は東海社会人リーグが完全中止となり、トーナメント制で地域CL出場権争いを行ったが、FC.ISE-SHIMAは初戦で常葉大学FCにPK戦で敗退。わずか1試合でシーズン最大の目標を失うことになったのだ。

「なかなか僕が来てからいい報告ができていなくて、去年も不甲斐ない内容で悔しい思いをさせてしまった。その悔しい思いを結果につなげてきた。目標を達成するために頑張りたい」。

 目標とはもちろんJFL昇格。12月初旬に決定するJFL17位との入れ替え戦は、引き分けの場合JFLクラブが残留するレギュレーションのため、FC.ISE-SHIMAは勝たなければいけない条件となる。

 決勝ラウンド3試合で1ゴールに終わった攻撃について「課題を残してくれた」と語った指揮官は「精度を上げたり、形をもっと作っていくことが必要」と指摘。12月中旬に予定される決戦に向けて「2〜3週間でガラッと変えるのは難しいと思うが、チームの土台はあるので、勝ち切れるような試合をしつつ守備の安定を継続していきたい」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)

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