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帝京は2年生が強さ示し、松本FWの兄持つFW横山夢樹ら技巧派の1年生も周囲驚かせる戦い

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帝京高の1年生FW横山夢樹は1得点1アシストの活躍

[12.2 練習試合 U-15日本代表候補 2-6 帝京高 高円宮記念 JFA夢フィールド]

 タレント揃う2年生に加えて、1年生も力があることを示した。東京の名門・帝京高は今年、2年生中心のメンバーで10年以来となるインターハイ出場。怪我人が増えてしまっていた選手権予選は準決勝で涙をのんだが、プリンスリーグ関東残留と来季へ向けて再スタートを切っている。
 
 この日は2年生中心のメンバーが先発。3バックのテストも兼ねていた1本目の終了間際に失点したものの、4バックへ戻した2本目開始直後に20年U-16日本代表候補左SB入江羚介(2年)の左ロングスローからMF橋本マリーク識史(2年)が同点ゴール。さらに、20年U-15日本代表候補FW齊藤慈斗(2年)のポストプレーからMF大口晴仁(2年)が勝ち越し点を挙げた。

 2本目に出力を上げて前からの強度あるプレッシングや、細かな精度も発揮する形で逆転。さらに16分には、投入直後の1年生FW横山夢樹の抜け出しから齊藤が3点目をマークした。注目世代の2年生たちは、実力の高さを示して3得点を奪取。加えて、2本目途中から出てきた横山やMF山崎湘太、MF土本瑶留ら1年生たちが代表チーム関係者を驚かせた。

 3-2で迎えた3本目は11人全て1年生へスイッチ。個々の技術力高い帝京は、U-15代表候補の動きを見ながら個やコンビネーションで打開しながら前進した。そして、素早い奪い返しを徹底。対戦相手が合宿最終日で疲労がピークだったとは言え、40分間で3-0と圧倒した。

 まず4分にMF藤田隆之介(1年)が直接FKを決めると、22分には「スピードもテクニックもあるアザールのような選手に」と語る横山がドリブルシュートを決めた。さらにMF大貫慶斗(1年)が加点すると、CB谷倫之介(1年)とCB岩間拓夢(1年)を中心に守り切って6-2で快勝。横山は「きょう、(相手が)代表というのもあって気合が入っていた。大事な試合で結果を出せたので良かった」と喜んだ。

 横山の兄は今年、東海大高輪台高(東京)から松本入りし、J2デビューも果たしている高速FW横山歩夢だ。兄と同じくFCトッカーノでプレーしていた横山は高校進学時に「入江(羚介)君も(齊藤)慈斗君も代表クラスがいてそういう中で1年生から出たいというのもありましたし、強さで選びました」という理由で帝京を選択。本人の努力もあって台頭してきている。

 兄のような圧倒的なスピードや馬力はないものの、横山もスピード、テクニックを併せ持つ楽しみな存在。「兄はスピードがあるんですけれども、テクニックは自分の方があるので、そういった意味ではタイプが違うので比較はできないですけれども、越したいです。兄はJ2加入しているんですけれども、自分はJ1とか上のリーグでやりたいです」と力を込めた。

 その横山は、同期の1年生(関東Rookie LeagueBリーグで開幕6連勝中)について、「みんな上手いのでパスサッカーで崩せたり、個々も強いので面白い代だと思います」。小柄な選手が多く、さらなる個の強化とコンビネーションの構築が必要であることは理解している。その中で、1歳年下とは言え、才能たちに快勝。個人としても、チームとしても自信を得た。帝京の2年生の壁は厚いが、横山は挑戦し、「来年は行けたらスタメンで活躍して、全国優勝したいです」という目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)

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