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指揮官「本当に褒めてあげたい」。準決勝3失点の鹿島学園DF陣が大一番で無失点

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最終ラインの中央で無失点勝利に貢献した184cmCB佐々木輝大

[12.5 選手権茨城県予選決勝 鹿島学園高 1-0 明秀日立高]

 試合直後、鹿島学園高の鈴木雅人監督は「CBとGKのところを本当に褒めてあげたいと思っています。(守備の)不安感が出なかったことが勝因になったと思う」と語っていた。今大会準決勝で公立の境高に3点を奪われているほか、これまでは失点に繫がるようなミスも。だがこの日、終始安定した184cmCB佐々木輝大(3年=川崎フロンターレU-15出身)と182cmCB杉山諒(3年=トリプレッタSC松戸出身)、183cmGK小副川虎之介(3年=グランパスみよしFC)のプレーを指揮官は勝因に挙げていた。

 明秀日立はFW根本琳生(3年)ら前線、両SHに力のある選手たちがいた。鹿島学園は彼らの抜け出す動きを封じながら、入ってきたボールを当たり負けすることなくクリア。佐々木は「試合前から(長いボールを入れて)やってくるのは分かっていたので、とことん相手のFWには負けないと徹底していました」と振り返る。

 パートナーの杉山とは「どんどん前から来るチームで『ジャンプヘッドが増える』ということを話していて、杉山と俺が間を締めてコンパクトに守ることを意識していました」。どんどん前に来る相手に対し、しっかりと構えて跳ね返すこと、またDFラインを下げすぎないことも意識して守った。

 後半32分の先制後、明秀日立は空中戦での圧倒的な強さを誇るCB長谷川皓哉(3年)を前線へ上げて前への圧力を強めてきた。だが、鹿島学園DF陣は、正確なポジショニングから確実に跳ね返し続ける。そのまま1-0で試合終了。佐々木は「(長谷川よりも身長の)高さ的には自分たちが上回っていたので、絶対に負けないという自信があったので勝てて良かったです。やり切った感があります。一番は無失点で勝てたのが良かった」と胸を張った。

 佐々木は昨年、先輩CB遠藤聖矢(現順天堂大)の後を追う存在だったが、今年は主軸として優勝に貢献。跳ね返しやビルドアップを特長とするDFは「ここで終わりとは全員思っていない。やっとスタートだと思っている。個としても、チームとしても、成長して全国大会に臨みたい」と誓った。課題だというミスの数をより減らし、全国でも無失点で勝利に貢献する。

後半終了間際、CB杉山諒(3年)が頭でクリア

(取材・文 吉田太郎)
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