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選手権のブレイク候補、鹿島学園の2年生MF林結人はより「欲」を持って全国のピッチへ

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鹿島学園高注目の2年生MF林結人はドリブル、パスでチャンスメーク

[12.5 選手権茨城県予選決勝 鹿島学園高 1-0 明秀日立高]

 第100回選手権のブレイク候補の一人だ。この日、トップ下で先発したMF林結人(2年=1FC川越水上公園)は鹿島学園高が守備に重きを置く中、ボールに絡む回数はやや少なめ。それでも、「ドリブルできるところはドリブルして、チャンスのパスも意識してきょうは出来たので良かったと思います」と振り返ったように、ボールを持った際には違いを生み出していた。
 
 前半、ドリブルで仕掛けて敵陣でFKを獲得したほか、ボールタッチから素早く斜めのパスを通してチャンスの起点に。インターハイ予選決勝でスーパーゴール2発を決めている林は後半も警戒される中でのプレーだったが、巧みなボールコントロールで前進し、PAへ鋭い抜け出しを見せるなど相手の脅威になっていた。

 球際激しい明秀日立にボールを奪われることもあったが、受ける前に見ることを意識してイメージ通りにプレーする回数を増やしていた。前への厚みを加えたかった明秀日立だが、林の存在を気にしすぎた部分があり、押し込むことができず。無得点の林は「全然足りない」と自己評価していたが、自分の良さを出して勝利に貢献できたことを素直に喜んでいた。

 鹿島学園の鈴木雅人監督が、同じ教え子の東京五輪日本代表FW上田綺世(鹿島)と比較する注目株。強豪・鹿島学園のトレーニングでボールをほとんど失わないというMFについて、指揮官は「また良くなってきていますよ」と成長を認める。

 主将の左SB渕伸平(3年)も「チーム始まった時には凄いタレント性は持っていたと思うんですけれども、一方で力強さは欠けていたと思います。でも、今日の試合でもそうですし、チームの中心として攻撃で違いを生んでくれましたし、守備のところでも頑張ってくれている。技術も精神的にも成長してくれている」と次期チームリーダーの進化について教えてくれた。

 注目度をやや高めて迎えたインターハイ初戦(対日章学園高)は、豪雨の中で3人に囲まれながらも前方の選手にボールをつけ、ドリブルやスルーパスでも存在感。だが、2-3で競り負け、本人は「焦ってしまって、あっとういう間に終わってしまった。警戒される中でもやっていかないといけないですし、あの時は力がなかった」と振り返る。自力をつけて迎える選手権。林はより、「欲」を持ってプレーする。

「監督から、『もっと欲を持ってやれ』と言われている。自分のことを抑えていると言われているので、もっと欲を持ってやりたいです」。遠慮や制限しているつもりは全くないというが、そのように映っているのであれば、より意識して自分を表現するだけ。1FC川越水上公園(埼玉)時代のチームメートである前橋育英高(群馬)MF根津元輝(2年)からの「頑張れよ」のエールに応えて選手権出場を決めたMFは、同3回戦で対戦する可能性のある旧友や全国のライバルたちを自身の活躍で乗り越え、鹿島学園初のファイナル進出を果たす。 

(取材・文 吉田太郎)
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