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日本代表キリンチャレンジ杯メンバー発表 森保一監督・反町康治技術委員長オンライン会見要旨

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 日本サッカー協会(JFA)は7日、来年1月21日に埼玉スタジアム2002で行われるキリンチャレンジカップ・ウズベキスタン戦の日本代表メンバー22人を発表した。

 メンバー発表会見では森保一監督、反町康治技術委員長が約40分間にわたって質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

●反町康治技術委員長
「1月21日にキリンチャレンジカップウズベキスタン戦を行う。この時期、Jリーグのクラブはバケーションに入っているので非常に難しい調整になるが、Jの各クラブの方々が協力的にしてくれて感謝している。キリンホールディングス株式会社をはじめ、たくさんの方々の尽力でウズベキスタン代表と試合ができることを非常に感謝している。ありがとうございます。キリンチャレンジ杯はW杯最終予選の中国戦、サウジアラビア戦に繋がるのは間違いないので、いい形で最終予選に入るためのいい強化試合として頑張っていきたい」

●森保一監督
「反町技術委員長もあいさつの中で話したが、われわれにとってW杯を目指す厳しい戦いがある中で、来年の年明け早々に中国戦、サウジアラビア戦とある中、その前にキリンチャレンジカップを行えることはわれわれにとってチームの強化になり最終予選に望む最善の準備につながる。スポンサーの皆様、開催に尽力してくださった関係者の皆様、Jリーグの皆様にはシーズン始動のときに選手を派遣してくださる協力してくれてありがたく思っている。このウズベキスタン戦で選手たちのコンディションを上げて、最終予選に向けて選考の場となる機会を一日一日無駄にすることなく、選手のレベルアップ、チームのレベルアップ、W杯最終予選突破に向けて、いい積み上げができるようにこの活動に臨んでいきたい」

——Jリーグの選手、五輪で活躍されている選手など幅広く選考されたと思う。そこの意図や狙いは。また最終予選に向けてメンバーの絞り込みがあると思うが、監督として選手たちに期待する部分は。
森保「今年のJリーグの活動を通して、これまでのわれわれの活動を通して、次のキリンチャレンジ杯ウズベキスタン戦に向けて、日本を代表して戦うメンバーとして相応しい選手たちを選ばせていただいた。もちろんこのメンバーの他にも、この代表に入ってきてもおかしくない活躍をしている選手はまだ数多くいるが、今回このメンバーを選ばせていただいた。おっしゃられるようにウズベキスタン戦をいい準備として、その後のアジア最終予選に向かっていく部分で、コンディションを上げていくことと、メンバー選考につながっていくと思う。選手たちに求めることは、まずはこれまでわれわれの代表活動に参加してくれていた選手たちにはコンディションを上げてもらい、所属チームとは違った戦術をもう一度思い出してもらいながら、戦いに臨んでもらう。なおかつ、今回初招集の選手であったり、間が空いて招集させてもらう選手たちも数多くいるので、常連組にはまず自分のことをしっかりと出すことをやってもらいながら、経験が浅い選手にわれわれがやってきたことを伝えていってもらいたい。国内組で構成される日本代表だということは私にとってもすごく楽しみ。海外にも多くの選手たちが活躍してくれているが、Jリーグで活躍する国内組もまだまだこんなにいい選手がいるんだぞというのをこの試合の中で見せてほしいし、結果をもって、そして内容をもって、ウズベキスタン戦を見てくださる人々に日本の選手層は厚いな、強くなったなと思ってもらえるように戦っていきたい」

——海外移籍を取り沙汰されている選手もいるが、移籍をする場合は今回の合宿から抜けるのか。
反町「海外に移籍する噂のある選手が正直いる。そうした場合にはオフィシャルに発表された後に追加で呼ぶ可能性もある。そういう時は他の国内組選手になると思うが。フレキシブルにやっていきたい。天皇杯も準決勝、決勝と残っているので、いろんなことが起きた場合には臨機応変に対応していかないといけない。発表をなぜ早くしたかというと、選手は天皇杯以外のチームはオフ期間に入っているので、年明けになるかもしれないが、しっかりとした準備をしていただきたいというのも含めて早く発表させていただいた」

——オミクロン株で政府が水際対策をしているが、相手チームの入国は厳しいのか。リスクヘッジは検討しているか。
反町「当然ながら政府方針に従うのは間違いない。今後の動向を見た中で準備していかないといけないと思うが、ピッチの上でお客さんが集まった中でやりたい思いはある。動向を伺いながら臨機応変に対応することも出てくると思う。今の状況ではいい方向に向かってくれるというのがあり、それは願望も含めてだが、ウズベキスタンとやりたい気持ちは強い」

——常連組に「経験が浅い選手にわれわれがやってきたことを伝えていってもらいたい」と言っていたが、そこにはどういうメリットがあるのか、常連組の選手には監督が言うまでもなく話してほしいのか。
森保「話したことの前の話が飛んでいるかなと思う。常連組もまずは自分のことをしっかりやる、次に選ばれた時のパフォーマンスを発揮してほしい。自分のことをしっかりすることをした上で、今までの経験を経験の浅い選手に伝えていってほしいと申し上げた。なので彼らはこれまで常連組として戦ってくれた中、コンディション的に問題がなければもちろん次につながる確率は高いと思うが、絶対ではないとそこは申し上げたいし、本人たちもわかっていると思う。また監督として私であったり、コーチングスタッフがチームのコンセプト、そのつどの戦いを選手たちに伝えて、選手たちにプレーしてもらうことはもちろんやっていかないといけないが、チームが勝っていくために、そして選手とチームが成長するためにはお互いに刺激しあって、選手たちが主体的に戦って試合に勝っていくということが非常に大切だと思っている。コミュニケーションを取って伝えてほしいということは申し上げた」

——GKは普段より少ない2人だが、国内組からはもうこの2人が入るレベルだと考えているのか。
森保「2人だけではない。選考の場ということも言っているので、選べる選手、またプラスアルファもコロナ禍で考えられる中、招集のメンバーを一人少なくしていると捉えられても不思議ではないかなとは思う。理由としては今回。最終予選に向かっていく親善試合は1試合だということで、まずは1試合の中で練習も含めてできるだけ余剰の選手が出ないようにということでこういった招集をさせていただいている。親善試合がもし2試合あれば通常どおりに交代枠の選択肢が増えるので招集させていただいているが、紅白戦も含めて余剰選手が一人も出ないようにということでこの22人にしている。GKが2人というのも紅白戦で一人ずつゴールマウスを守れば余ることがないようにということ。われわれが招集させていただくことで、普段所属チームで経験できない国際試合を経験できることが選手にとってもプラスになると考えているが、JJリーグは新シーズンに向けて始動の時になるので、余剰選手を預かるよりクラブで新しいシーズンに向けてしっかりポジションを取れるように活動してほしいと考えてこのメンバーにした」

——新たに4人の初招集選手が選ばれたが、代表の場に慣れてほしいと考えているか、即戦力と考えているのか。
森保「両方ともある。慣れてほしいというか、代表の経験はない、浅い選手もいる。その中で代表の活動に慣れてほしい、そして今後の成長につなげていってもらいながら、クラブで大きな存在感を放ち、代表としても戦力になってもらいたいと考えている。しかしながらトレーニングは競争の場なので、そういう思いを持って招集している選手も練習する時間はたっぷりあるので、試合に出られるパフォーマンスを見せてもらえれば、試合に起用することは自分自身で掴み取ってもらえるかなという見方をしていきたい」

——海外から国内に戻ってきた選手の出番はあるが、これまでJリーグの選手の出番が少ない。序列を崩せるような選手は入っているか。
森保「入っていると思う。そして私やわれわれのチームを評価してくださっている方々が全ての選手たちをニュートラルに見ているという見方をされているかはわからないが、選手たちの生き残りについては選手自身のパフォーマンスにかかっているというところををわれわれは基本的には見ていきたい。プラスこれまでの活動を含めて総合的に見ていきたい。序列を崩すという意味では経験の浅い選手が割って入ることも十分にあり得るかなと思う」

——埼スタの状況はどうか。ウズベキスタン戦の前にピッチを綺麗にしたりしているのか。
森保「まずW杯予選も含め、キリンチャレンジ杯も埼玉で行えることを光栄に思っている。サッカー専用スタジアムでサポーターも含めて非常に一体感のあるスタジアムなので、そこで試合ができることを嬉しく思っている。芝生の状況に関してはどういう状況か把握していないが、ウズベキスタン戦の前日トレーニングは埼玉で行わず、やりたいという意向でいる。の前日は埼玉で練習するが、われわれも芝生の管理はなるべく協力したい。われわれのお願いで使わせていただくということも含めて協力したいと考えている」

——コロナの状況もあると思うが、ファン・サポーターに公開練習の日程を設けるとか、生のメッセージを届けることは考えているか。
反町「できればわれわれが練習している姿を多くの方々に見ていただくのは非常に重要だと考えている。コロナの中でサポーターとの距離が離れていくことをわれわれも危惧している。検討していくに値すると思う。天皇杯も含めて観客の制限は収束という言い方が正しいのかはわからないが、状況に応じてたくさんの方々にスタジアムに足を運んでいただけると思う。重要な3試合でできるだけ多くの方に足を運んでいただいて、応援していただきたい。声を出すのは難しい状況かもしれないが、足を運んでいただいて、手拍子なりでサポートしていただくことを期待している」

森保「練習や試合をできるだけ多くのファン・サポーターに見ていただきたい思いを持っている。トレーニングについてもこれまでも非公開のトレーニングはしてきたが、メディアの皆さん、サポーターの皆さんも含め、非公開の予定を取りやめて公開にしたトレーニングもあるし、練習だけではなく、われわれを応援していただいている方々へのいろんなメッセージとしてメディア対応をさせていただいて、選手の声やチームの声を少しでも多くの方に聞いていただけるよう、届くようにできる限り枠を取って活動してきている。今回のキリンチャレンジ杯ウズベキスタン戦、カタールW杯に向けてのアジア最終予選中国戦、サウジアラビア戦とできるだけ多くの方々に応援していただけるように、日頃の応援へのお礼や感謝の意味も含めて、少しでも選手の頑張っている姿を見ていただけるように日程調整を考えていきたいと思っている」

——親善試合ができることは楽しみなことでもあるのかなと思っている。練習もこれまでより長い4日間取れる。試したいこと、やりたいことは。
森保「まずはアジア最終予選に向けていい準備となるように、そして最終予選で結果を出してワールドカップに向けて前進していけるようにウズベキスタン戦をチーム一丸となって戦いたい。その中で、普段は調整を除けば一度練習して公式戦に臨まないといけないという日程が多かった中、今回は練習をする機会が持てる。チームのコンセプトを選手にわかってもらいながら、吸収してもらいながら試合に向かっていくことをやっていきたいが、個の力を練習の中で存分に発揮してもらいたい。個の力を結集してわれわれが持っている日本の組織力の戦い方につながる。特に初招集の選手、間隔が空いて招集となった選手には自分たちの力を思い切って出してもらいたい。成長しているところをたくさん見せてほしいと期待している」

——ザックジャパンでは最終予選の後に親善試合で活躍した選手が多く、本大会に行ったこともあった。経験が少ない選手への期待はどういうふうに考えているか。
森保「答えも言っていただけたような質問かなと思う。まずは言っていただいたように最終予選に向けてアジア予選をなんとか勝ち抜いてW杯出場権を掴み取るために継続路線は間違いなくベースとしてあるが、新しく加わってくれる選手たち、そして間が空いて招集させてもらう選手たちはわれわれが日頃の彼らの日常の活躍を見て、日本代表に入って来られるだろう、将来もっともっと戦力として活躍してくれるという見方をしている中で招集させていただいている。われわれが親善試合をさせていただけるのもここが最後かもしれない。ひょっとしたらもう一回あるかないかという来年の日程だと思うが、まずは最終予選に向けてしっかりとやっていく中、一戦一戦戦ってW杯の出場権を掴み取る、その後にまたチームを見直してW杯に向かっていくという流れができればいいかなと思う。選手たちは今回招集させてもらえる選手以外にもまだまだ同等の力を持っている選手たち、将来期待できる選手がいる。できるだけその機会があるかぎり、できるだけ機会がある限りチームづくりとともに発見・発掘というところ。、力のある選手をチームに組み込んでいくところはトライしていきたいと思う。まずは一戦一戦、目の前の試合をW杯予選の中ではトーナメントという気持ちで勝ち抜いていって、W杯に向かっていく。そしてチーム作りでは新戦力にいつでも融合してもらえるよう幅広く見ていきたい」

——小柏、荒木、渡辺ら個性を持った選手がいて、彼らはこれまでの代表選手とは違う期待が持てる選手だと思うが、どうコンセプトに融合させていきたいか。
森保「チームのコンセプトを知ってもらいながら、吸収してもらいながら、彼らは個で局面を打開できる力を持っている選手たちなので、個の部分を存分に発揮してもらいたい」

——選手がシーズンオフに体を動かしたいとなった時、トレーニングのメニューを渡したり、場所を提供することは考えているか。
森保「代表発表の後、選手の所属クラブと確認を取りながら選手にやってほしいことだったり、コミュニケーションが取れるようにコンタクトを取っていきたい。来年の始動に向けては、選手たちの要望を聞きながら夢フィールドであったり施設を準備して、身体を動かす場を環境づくりをし、そこにコーチングスタッフも帯同して選手たちのトレーニングを見ていくということはこれから関係者と話を進めたいと思っている。反町技術委員長がいろいろ手配してくださっているので、われわれもここからやっていきたい」

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