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[MOM752]国士舘大MF綱島悠斗(3年)_188cm大型ボランチ「日本代表に近づけるような進路の選択をしたい」

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.8 インカレ1回戦 国士舘大2-0東海大札幌校舎 相模原ギオンスタジアム]

 怪我によりDF谷口栄斗(4年=東京Vユース/東京V内定)を欠く戦いを強いられることになった国士舘大(関東7)は、MF綱島悠斗(3年=東京Vユース)を代わりに最終ラインで起用することを考えたという。

 しかし細田三二監督はボランチポジションで彼を失うリスクを考えると、その選択は出来なかったと語る。「後ろで使おうかとも思ったけど、それだと彼の良さがなくなる。ボランチでボールを配れるのは彼だけだから」。攻守になくてはならない存在。FWやDFラインにJリーグ内定選手がいる今季のチームだが、綱島が最も替えのきかない選手になっている。

 東京Vの下部組織から「私生活からいろいろな面で刺激を貰っている存在」と話す先輩DF谷口を追うようにして国士舘大に進学した。そこで初めてボランチに挑戦すると、本職のCBと両方をやりながら過ごしたルーキーイヤーから関東2部で18試合に出場。新人賞を獲得する活躍で、チームを1年での1部復帰に導いた。

 2年生からは完全にボランチとして一本立ち。関東大学リーグで存在感のある成長を続けると、今春に行われたデンソーカップチャレンジには関東選抜Aの一員として優勝を経験すると、混戦のリーグ戦を戦い抜く原動力となり、5大会ぶりとなるインカレへの出場を決めていた。

 インカレ初戦となったこの日も、相手キーマンであるMF吉行豊輝(4年=東海大福岡高)に仕事をさせることなく、1対1でも完全勝利。得点には繋がらなかったが、後半29分にMF弓場堅真(3年=浜松開誠館高)に出した浮き球で決定機を演出した。それでも「守備の面ではバランスをみながら出来ていたけど、攻撃面では低い」と自己評価はやや辛口。決定機を演出するパスについても、「1本だけじゃ足りない。90分を通して4、5本出せる選手になりたい」と貪欲だ。

 有力大学生の進路決定は年々早まっているが、国士館大は方針としてJクラブの練習への参加を認めていない。そのため現在、綱島の耳に直接届いているJクラブからの評価はないという。「もちろんヴェルディでプレーするということ、お世話になったクラブに恩返しをしたいという気持ちはあるんですけど、それ以上に自分の力がどこまで通用するのか試したいと思っています」。あくまでもフラットな考えで将来を見極めていくつもりだ。

 ただ何より一番重要視したいポイントがあると強調する。「目標である日本代表に近づけるような進路の選択をしたい」ということだ。「一番自信があるのでCBで勝負したい気持ちはあるけど、ボランチでも勝負できる選手になりたい。これから1年間かけて成長していきたい」。身長188cmの大型ボランチは選択肢を広げるためにも、大学で残すラスト1年で更なるレベルアップを目指す。

(取材・文 児玉幸洋)
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