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3大会ぶり出場阪南大が中京大との接戦制して初戦突破「優勝して、監督を胴上げしたい」

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FW藤原雅弥(4年=瀬戸内高)は先制点をマーク

[12.8 インカレ1回戦 阪南大2-1中京大 前橋総合運動公園群馬電工陸上競技・サッカー場]

 MCCスポーツpresents 2021年度 第70回 全日本大学サッカー選手権大会が8日に開幕し、1回戦8試合を実施。阪南大(関西4)と中京大(東海2)の一戦は、前後半に1点ずつ奪った阪南大が2-1で勝利した。

 総理大臣杯で2度の優勝経験を持つ関西屈指の強豪・阪南大だが、インカレへの出場は3大会ぶり。今年のチームは下のカテゴリからAチームに上がってきた選手も多く、ゲームキャプテンを務めたMF尾崎僚(4年=和歌山北高)は「全国大会という舞台を経験したことがない選手もいたので、少し立ち上がりはバタついてしまって、相手にボール握られる時間帯が多かった」と振り返る。こぼれ球が拾えず、前からのプレッシングにも行けない中でも右サイドからの仕掛けでチャンスを伺うと、21分にはMF工藤蒼生(3年=仙台ユース)のボールから、右サイドを上がったDF高田椋汰(3年=日章学園高)が中にパス。FW藤原雅弥(4年=瀬戸内高が)冷静にゴールネットを揺らした。

 上手く行かない状況でも先手を奪った阪南だったが、リードは長く続かない。25分には自陣でのビルドアップをFW確井聖生(2年=富山一高)に奪われると、無人のゴールに決められ、同点にされた。「上手く行かない時もあるから我慢しろと伝えていた。そこはよく我慢していたと思うだけに、突然の1点で同点に追いつかれたのが、本当に勿体ない」(須佐徹太郎副顧問(前監督))。

 後半の立ち上がりにペースを掴んだのは、中京大。「相手の背後だったり、近くにボールをつけて何枚か剥がせればと考えていた」と話す確井がサイドのスペースに流れて起点を作り、2列目のMF藤井皓也(2年=静岡学園高)らが仕掛けた。後半15分にはPA右外でMF進藤克樹(2年=富士市立高)が倒され、FKを獲得。MF岸田悠佑(4年=G大阪ユース)が直接狙ったが、ボールは枠の外に逸れた。

 こう着状態が続いた後半に歓喜を呼び込んだのは、交替カードを積極的に切り続けた阪南大だった。40分に後方からのパスを受けたFW永井絢大(4年=九国大附属高)がダイレクトで右サイドに叩くと、走り込んだ途中出場のMF奥山洋平(4年=西大寺高)がゴール前にクロス。最後は同じく途中出場のMF池田修志(4年=神戸U-18)が頭で合わせ、勝ち越しに成功した。試合終了間際には中京大のロングフィードから、確井にDFの背後を突かれたが、GK村田要(3年=熊本国府高)がCKに持ち込んでタイムアップ。苦しい展開を凌いだ阪南大が、関西学院大(関西1)が待つ2回戦へと駒を進めた。

 今季の阪南大は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、活動できない期間も長かった。今大会は延期試合を過密日程の中で乗り越え、何とか掴んだ舞台。「自分たちは関西4位での出場なので、常にチャレンジ精神で挑みたい。目の前の相手に対してやるべきことをやって、1戦1戦勝って行くだけ。最後は優勝して、監督を胴上げしたい」と奥山は口にする。

 次に対戦する関学大は、リーグ戦で2連敗している相手だけに、選手・スタッフ共に意気込みは強い。「関学に3連敗もするわけにはいかない。まずはそこに集中したい」と須佐副顧問が話す通り、まずはリーグのリベンジを狙う。

(取材・文 森田将義)
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