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[MOM759]福岡大DF岡田大和(2年)_SBながら「シュート練習しかしていない」群を抜く得点力

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.8 第70回全日本大学サッカー選手権大会1回戦 福岡大4-0高松大 前橋総合運動公園群馬電工陸上競技・サッカー場]

 高校2年生の途中までFWだったため、左SBながら福岡大DF岡田大和(2年=米子北)の攻撃力は同年代でも群を抜く。大学に入ってからもパンチ力のある左足を磨き続け、「居残り練習ではシュート練習しかしていない」(乾真寛監督)。今大会の直前に行われた九州大学サッカー新人戦では3試合で3得点を奪い、点が獲れるSBとしての存在感をアピールしている。

 高松大に挑んだこの日のゲームでも、持ち味を存分に発揮した。序盤から左クロスとロングスローで見せ場を作った岡田にファーストチャンスが訪れたのは、前半4分。DF阿部海斗(4年=鳥栖U-18)が上げた右クロスが自らの下に零れてきた。「先制点はあそこに零れてくると思っていたので、狙い通り。相手が来ていたのは分かっていたので、自分が得意な左足に持ち替えた。あの角度は得意で、上手く降りぬけた」と冷静に放ったシュートが決まり、先制に成功した。右からのクロスが岡田の下に零れる形は、今年に入ってから増えている得点パターン。「こぼれ球に対して上手くポジションを取って、ごっつぁんじゃないけど良い形で合わせられているから、得点が増えている」と岡田は分析する。

 34分には自らのパスから、左サイドの高い位置をとったMF永田一真(3年=岡山学芸館高)がゴール前にクロス。こぼれたボールをMF倉員宏人(4年=鳥栖U-18)が豪快に決めた。一連の流れは見事で、乾監督は「岡田にアシストをつけても良い」と称えた。後半4分には、「相手を裏向きにしようというクリアっぽいパスを出した。あれがパスになったら、それはそれで良いかなと考えていた」と自陣から蹴り込んだロングボールが前線のFW山口隆希(3年=鳥栖U-18)に渡って、3点目に。4点中3点に絡んだ岡田の活躍は、順調なスタートを切った福岡大に欠かせなかった。本人も出来には満足しており、「自分の特徴は攻撃の場面で出せる。左SBですけど、得点やアシストをもっと獲りたいと思っているので、今日はそれが上手く出せた」と口にする。

 下級生ながらも、すでに複数のJクラブが注視しており、今年に入ってからJ1クラブの練習参加を経験した。キック力を活かしたクロスやフィジカルの強さに手応えを感じる一方、至らない点を知れたのはサッカー選手としての成長に大きかった。一足早くプロのレベルを肌で感じ、目標にしていたJリーガーへの憧れは強くなっている。夢だった高校時代とは違い、今では現実的な目標だった。

 2回戦で対戦する法政大は、9人ものJ内定選手がいる今大会屈指のタレント集団。岡田も同じSBとして東京Vへの内定を掴んだDF宮本優(4年=清水ユース)を意識する。試金石として、これほど持って来いな舞台はない。岡田は「法政大が相手でも何もできないわけじゃないと思うし、自分たちが勝てる可能性は十分ある。そこの基準でサッカーをしないといけないとも思う。プロを目指す以上、そこでどれだけ出来るかが大切。しっかり、あと2日調整して、良い形で臨みたい」と意気込みを口にした。

(取材・文 森田将義)
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