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先制に成功した高知大、あと一歩届かずも全国の舞台で爪痕「今までで一番の手応え」

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[12.8 全日本大学選手権1回戦 高知大 延長1-2 宮崎産業経営大 埼スタ2]

 高知大はあと一歩届かず、延長戦の末に涙を飲んだ。だが、胸を張っていい試合内容だった。主将のSB木下紘希(4年=岡山学芸館高)は「相手の前線の選手が強力なのは分かっていたので、守備陣は常に枚数を多く構えてすぐに対応しようと練習から対策してきた。きょうはしっかり発揮できたと思います」と振り返った。

 出足鋭いプレス、球際の強度は研ぎ澄まされ、特に前半は大分内定FW宇津元伸弥(4年=鵬翔高)を擁する攻撃陣から自由を奪った。体を張ったシュートブロック、組織的な守備で流れを引き寄せ、攻撃へとつなげた。前半41分にオウンゴールを誘発し、先制に成功。だが、延長戦の末に1-2で惜しくも敗れた。

 近年の高知大は19年の総理大臣杯で静岡産業大に延長0-1で敗戦。昨年度の『#atarimaeni CUP』も延長戦の末、北海道教育大岩見沢校大に0-1で競り負けた。またも悔し涙を飲んだが、“全国一勝”は徐々に近づいてきた。

「年々自分たちのレベルが上がってきて、全国と対等にやれている感覚はあった。今年は集大成なので、何としても一勝をつかみにいこうという話をして臨んだ。先制点を取れて今までで一番手応えがあった。自分たちのサッカーに自信を持って出来ていたんですけど…。あとひとつ何かが足りなかった。今回全国で得たものを後輩たちが感じ取って、繋いでいってくれたらいいなと思います」(木下)

 先制点はセットプレーから。前半41分、左CKのチャンスにMF裏崎宏河(4年=岡山U-18)がクロスを蹴り込み、ニアサイドに飛び込んだ木下が合わせると、相手に当たったボールがゴールマウスへと吸い込まれた。

 裏崎は今年の四国大学リーグで4ゴール2アシストを記録した攻撃の要だった。先制点を導き、強烈なシュートで惜しいチャンスもあった競技生活ラストゲーム。「プロになるのを目標にやってきたんですが、それは叶わなかった」。裏崎はそう語りながらも、「決められる場面はあったので悔しいですが、きょうは比較的調子が良かったかな(笑)」と充実感を漂わせた。真剣にサッカーに打ち込んだ日々を糧に、胸を張って次のステージに進んでほしい。

(取材・文 佐藤亜希子)
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