beacon

[MOM763]阪南大FW藤原雅弥(4年)_「最後に悪あがきでもいい」J諦めない“元プリンス得点王”が2戦連発!

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW藤原雅弥(4年=瀬戸内高)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.11 全日本大学選手権2回戦 阪南大 1-0 関西学院大 前橋総合]

 相手のミスを逃さない2試合連続ゴールで、阪南大を2016年以来の準々決勝に導いた。

 一方的に優勢を保ちながら、0-0で迎えた前半39分だった。阪南大はMF工藤蒼生(3年=仙台ユース)の浮き球パスに反応したFW藤原雅弥(4年=瀬戸内高)が迷わず最終ライン裏に抜け出すと、「普段から意識している」というループシュートにトライ。これはGKに阻まれて高く跳ね上がったが、相手DFのクリアミスにつけ込み、ルーズボールをワンタッチで押し込んだ。

「一つ前の場面でチャンスがあったけど、パスをもらえなかった。ただ、ここ空くんだなというのがわかっていた。取った瞬間の背後への抜け出しは得意としているところなので、一回めのシュートはミスったけど、冷静に決められてよかった」(藤原)。

 すると前半40分、ゴールを決めたばかりの藤原はFW池田修志(4年=神戸U-18)と交代。アクシデントではなく、体力面を踏まえての戦術的な交代だった。試合後、取材に応じた須佐徹太郎副顧問(前監督)は「点を取る前からバテバテで交代させようかと思っていたけど、もうちょっと様子見ようとしていた時に点を取ってくれて、ラッキーでした」と明かした。

 これに対して藤原は「あれ以上早く代えられたら困るけど、ギリギリまで耐えてもらったので、そこで結果が残せてよかった」と悔しさの中にも安堵の表情。その上で「連戦の疲労で身体が動けてなくて、判断力が低かった。次にしっかりつなげられたらと思う」と反省も語り、さらに長い時間ピッチに立つべく成長を誓っていた。

 藤原は大会初戦の中京大戦(○2-1)でも前半21分に先制ゴールを決め、後半21分に途中交代。激しいハイプレス戦法が採用されている中、時間限定出場ながらも着実に結果を残しており、瀬戸内高時代にプリンスリーグ中国得点王に輝いた得点力はなおも健在だ。いまではその役割を自覚し、「前半で常に結果が残せるように意識しながら毎試合取り組んでいる」と短い時間に集中している。

 そんな藤原は今大会、二つの大きなモチベーションをもって挑んでいるという。

 一つ目は日本一への思い。藤原は1年時の2018年、現仙台のDF真瀬拓海らとともに第2回全日本大学サッカー新人戦に出場したが、浦和駒場スタジアムで行われた決勝戦では桐蔭横浜大に敗れた。「全国2位だったので、その悔しさがある。全国で一番を取って、最後に笑って終わりたい」。大学生活の集大成となる舞台で悲願のタイトルを狙っている。

 もう一つはプロサッカー選手への思いだ。「最後に悪あがきでもいいので、最後の最後まで諦めずにやっていきたい。社会人チームから声をかけてもらっているけど、最終的な目標はJのピッチでサッカーをすることなので、その目標に向かって近づけたら」。ここからも得点を量産し、来季の構想を練っているプロのスカウトにアピールを続けていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
●第70回全日本大学選手権(インカレ)特集

TOP