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“大学最後の冬”は初戦で涙…法政大MF松井蓮之「違いを出せたらチームも勝っていた」

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法政大MF松井蓮之(4年=矢板中央高/川崎F内定)

[12.11 全日本大学選手権2回戦 法政大 0-1 福岡大 前橋総合]

 今大会屈指の注目を集めたスター候補の冬は、あっけなく幕を閉じた。試合後、ミックスゾーンに姿を現した法政大MF松井蓮之(4年=矢板中央高/川崎F内定)の目には涙の跡。無念の負傷欠場となったMF田部井涼主将(4年=前橋育英高)にも思いを寄せつつ、悔しさを押し殺しながら心境を語った。

「全く違いを出せなかったし、もっと違いを出せたらチームも勝っていた。今日の自分のプレーは評価できない。一番はチームが負けたことに責任を感じている。田部井がいない中で自分がキャプテンマークを巻いて試合をしたが、もっともっとリーダーシップを発揮して、攻守で存在感を出せたら結果は違ったのかなと思う」。

 1回戦シードの法政大にとっては、大会初戦となった福岡大との2回戦。立ち上がりから幅広いエリアに顔を出す松井を中心にボールを保持はしていたものの、臨機応変に守備ブロックを敷く福岡大に決定打を与え切れず、0-0のまま試合を進める形となった。

「相手がああいう形で引いてきて、縦パスだったり、一本で展開を変える長短のパスをもっとチャレンジしてもよかった。もっともっと自分が味方を動かして、相手の逆を突くプレーをもっとやれればよかった」

 ボールに触れるたびに相手と細かい駆け引きを行い、違いを見せながらジャブを与え続けていた松井。法政大の強みである両サイドバックへの展開でも存在感を放っていたが、満足のいく出来ではなかったようだ。

 そうして迎えた後半36分には中盤でのトランジションを制され、左サイドの裏を突かれて失点。最後はパワープレーに出たが、相手の土俵で押し切れず、まさかの初戦敗退に終わった。

「夏に日本一を取ったことは過去。全員が目の前の試合に集中していこうという話をしていたが、福岡大学さんが自分たちを分析して戦ってきた中で自分たちが崩せず、1失点して負けたので自分たちの実力不足。チーム全体の力が足りなかったという試合だった」。

 来季は川崎フロンターレに加入。大卒の即戦力として、日本屈指の選手層を誇るMF陣にレギュラー争いを挑んでいくことになる。

「まだまだ課題はたくさんあるし、いま以上に厳しい環境に行くという中で、自分の武器をこうした劣勢の試合でも出せないと活躍できないと思う。川崎フロンターレに入ってからもっともっと技術や攻撃力を成長させていって、試合に出て活躍したい」。涙に終わった大学サッカー。その悔しさは次の舞台で晴らすしかない。

(取材・文 竹内達也)
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