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FC東京トップ昇格逃した才能…筑波大で進化するMF角昂志郎「1日でも早くプロの世界へ」荒木ら同世代に刺激

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先制ゴールを挙げたMF角昂志郎(1年=FC東京U-18)

[12.11 全日本大学選手権2回戦 筑波大3-0京都産業大 浦安市]

 筑波大MF角昂志郎(1年=FC東京U-18)が貴重な先制ゴール。アジアや世界の舞台で痺れる戦いを体感してきた経験豊富な19歳は、自身初のインカレの舞台でも存在感を放った。

 角は東京武蔵野シティFCに在籍した中学時代から世代別代表の常連だったアタッカー。18年秋には主力としてU-16アジア選手権優勝、予選突破の立役者になった。その後は事故に遭った影響から負傷に苦しむ時期があったが、19年のU-17W杯にも出場。FC東京U-18の攻撃を牽引すれば、FC東京U-23の一員としてJ3リーグ7試合にも出場した才能だが、惜しくもトップ昇格を逃した。

「FC東京のユースに所属していたときにトップに上がれないという宣告を受けてから、ゴールを取れる選手にならなきゃいけないとずっと思っていた。大学に来てからは自主練でシュート練習を誰よりもやるようになった。そういった部分がひとつ、変わったところかなと思います」

 その成果を示した見せ場は前半44分に訪れた。MF田村蒼生(1年=柏U-18)からの左クロスに反応した角は右足を振り抜き、先制のネットを揺らした。左サイドハーフ→右サイドハーフで仕留めた先制ゴール。U-17W杯ブラジル大会を経験したホットラインに、小井土正亮監督は「大きな舞台で戦っている選手なので自信を持ってやってくれた。角は決め切るあたり力がある」と信頼を寄せた。

 角自身は「まずこの一戦で全て出し切って勝たなければいけないという思いもあったし、出られない4年生の分まで戦えたと思います」と手応え。4年生にとっては最後の大会。1年生ながらレギュラーを張る責任感をにじませた一方、年齢にとらわれることなく、強烈な野心を燃やす。

「1年生だからという考えはあまりなくて、角田選手のように3年目で決まって(前倒しで)プロにいく選手もいる。自分も1日でも早くプロの世界にいきたい」。先輩のDF角田涼太朗が最終学年の今夏、半年前倒しで横浜FMへ正式入団したように、1日でも早くプロの世界へ。言葉に強い覚悟をにじませた。

 同世代の刺激も大きい。U-17W杯メンバーはJの舞台で活躍を遂げており、U-16アジア選手権で共演したMF荒木遼太郎(鹿島)は今季2桁ゴール。J新人賞を受賞し、A代表に初招集された。「アジア最終予選で一緒にいた荒木たちがA代表に入っている。自分もその能力を持っている自信はあるので、大学で磨きあげたい」。筑波大で真価を証明し、プロへの道を切り拓く。

(取材・文 佐藤亜希子)
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