beacon

筑波大監督、同僚が絶賛する清水SB山原怜音の人間性「一番影響を受けた選手」「目標にする存在」

このエントリーをはてなブックマークに追加

筑波大DF山原怜音(4年=JFAアカデミー)

[12.11 全日本大学選手権2回戦 筑波大3-0京都産業大 浦安市]

 清水エスパルスのJ1残留に貢献した一週間後は、大学生活の集大成となる舞台に立った。筑波大DF山原怜音(4年=JFAアカデミー)は絶妙クロスで2点目を演出するなど、攻守にチームを牽引。筑波大は3-0でインカレ初戦を突破し、準々決勝に進出した。

 山原は今年、デンソーカップチャレンジで最優秀選手(MVP)に輝くと、3月末に来季の清水加入内定が発表された。特別指定選手として今季はリーグ5試合に出場。清水は残留争いに巻き込まれたが、佳境のラスト3試合で3連勝フィニッシュ。山原はその3試合に途中出場し、11月27日の浦和戦では初アシストを記録するなど、J1生き残りに貢献した。大学には一週間前に合流したという。

「彼に助けられている部分が非常にある」。小井土正亮監督がそう称えるように、プレーだけではなく、成熟した人間性も評価される選手だ。

「私がやらなければならないことを山原が先に言ってくれる。エスパルスで痺れる試合を体感してきた。痺れるチーム状況に身を置いたことで、経験をチームに落とし込んでくれる。自信をつけて帰ってきた部分、厳しい状況で勝つチームには何が大事か。彼が伝えてくれるので、私としてはありがたい存在です」(小井土監督)

 10月にはU-22日本代表の一員として、U23アジアカップ予選にも出場した。クラブや代表活動で得た収穫はチームに還元。筑波大を引き上げようとする姿勢は、下級生に大きな影響を与えている。

「左右両方できるサイドバックとして目標にしている選手。足元の技術もあるし、シュートやクロスの質が高い」と語ったのは、山原のアシストから2点目を挙げたDF三浦雅人(3年=東京Vユース)。先輩のプレーに学ぶ右サイドバックは「チームにもたらす影響、声や姿勢というのは今まで見てきたサッカー選手の中で一番。目標にする存在です」と敬意を語った。

 先制点を挙げたMF角昂志郎(1年=FC東京U-18)も「プレーでも引っ張れる選手ですが、一番は発信力」と指摘。「大学に来て一番影響を受けた選手の一人。できるだけ多くのものを吸収して、自分がこれから筑波を引っ張っていけるようになりたい」と力を込めた。

 山原にとっては集大成となるインカレの舞台。激動の一年、大学生活を、最高の形で締めくくりたい。

 (取材・文 佐藤亜希子)
●第70回全日本大学選手権(インカレ)特集

TOP