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早稲田が初戦で敗れる波乱…「申し訳ないという思いしかない」FC東京内定MF西堂がPK失敗

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[12.11 インカレ2回戦 びわこ成蹊スポーツ大2-2(PK4-3)早稲田大 夢の島]

 早稲田大が初戦で姿を消すことになった。2度度のリードを追いつかれて持ち込まれたPK戦。GKヒル袈依廉(1年=鹿児島城西高)が一本を止めるなど奮闘したが、3-3で迎えた5人目で蹴ったMF西堂久俊(3年=市立船橋高/FC東京内定)が枠を外して失敗。後攻で蹴ったびわこ成蹊スポーツ大のMF佐藤昴(4年=神戸U-18)のシュートがゴールネットを揺らした瞬間に、敗退が決まった。

 試合終了の瞬間から、多くの選手が涙した。その中で西堂もぼう然。「4年生は今までありがとうと言ってくれた」。その他にも言葉をかけてもらった様子だが、冷静に聞き取ることが出来なかった。「僕らの代のプロ志望の選手も今大会は重要だった。そいつらにも申し訳ないなという思い。今は顔を見れない。申し訳ない、ごめんという思いでしかないです」。

 かなり苦しいシーズンでした――。外池大亮監督が絞り出した言葉がすべてを物語った。特に夏場に大きな試練が襲った。7月の練習中にエースFW加藤拓己(4年=山梨学院高)が左膝前十字靭帯断裂の大怪我。卒業までに復帰することが困難となった。さらに部内に新型コロナウイルス陽性者が確認されたことで、2度の活動休止を強いられた。

 全体練習の再開が許可されたのは、後期リーグも始まっていた9月14日。過密な日程を消化する中で、一時は降格圏に低迷した。しかし稀に見る大混戦のリーグ戦にあって終盤に追い上げをみせた早大は、延期分となった最終戦の法政大戦に勝利して、5位に浮上し、2大会ぶりとなるインカレ出場を決めていた。

 インカレは初戦で終了。不完全燃焼に終わってしまったことは当然だが、その中でもまだプロ入りを諦めないFW田部井悠(4年=前橋育英高)やFW倉持快(4年=桐光学園高)の4年生がしっかりと得点という形で結果を残した。これについては外池監督も「これまで本当のいい思いを出来なかったかもしれない4年生が、最後のチャンスで前向きに取り組んでくれた」と評価も語る。

 西堂の他にも大宮に入団が内定するDF鈴木俊也(3年=早稲田実高)ら、来年も楽しみなタレントは残る。主将MF田中雄大(4年=桐光学園高/岡山内定)は「難しい1年間でしたが、良い時も悪い時も4年生を信じてついてきてくれた後輩たちがいたからインカレも出られたと思う」と後輩への感謝を語ると、「これから4年は卒業するけど、上を目指してやっていってほしい」と涙ながらにメッセージを残した。

(取材・文 児玉幸洋)
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