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30年ぶり出場の京都産業大はインカレ2回戦で涙…徳島内定GK田中颯「こんなにいいチームがあると」

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敗退に涙した京都産業大

[12.11 全日本大学選手権2回戦 筑波大3-0京都産業大 浦安市]

 悲願のインカレ出場を果たした京都産業大(関西2)は2回戦で敗退となった。筑波大に0-3で完敗。試合終了のホイッスルが吹かれると、選手たちは大粒の涙をこぼした。

 関西学生リーグ1部で2位と躍進を遂げ、30年ぶりにインカレの舞台にたどり着いた。初戦はIPU・環太平洋大(中国)を延長戦の末に撃破。全国1勝を挙げたが、悲願だったインカレの挑戦はここまで。GK田中颯(4年=東京Vユース/徳島内定)は「一番は、全員がチームのためにプレーすることをブレずにやってこれた。こんなにいいチームがあるということを、いろんな人に見せたかった」と力を込めた。

「ただ前だけを見て走ってきた1年間で、この1年間には4年間のいろんな思いが詰まっていた。今終わって、一切後悔はないですが、自分がたくさんお世話になったこのチームにもっといい景色を見せてあげたかった」

 東京都出身の田中は高校まで東京ヴェルディのアカデミーで育った。大卒プロ入りを目指して関東を離れ、京都産業大に進学。大学4年間は「長かった」という。

「むちゃくちゃ長かったです。自分は関東から出てきて、強い想いを持って、夢をつかむんだという想いでやってきた。全ての人に感謝したいです」。覚悟の4年間が結実し、つかみ取ったプロ入り。10月に徳島ヴォルティスへの加入内定が発表された。

「自分は恵まれていて、毎日いい環境でサッカーをやらせてもらえた。今後もそういう舞台があるので1日1日しっかりと自分自身に向き合って、いろんな人の力を借りながら成長していきたい。徳島でもそうですし、日本サッカーの力になれるように毎日頑張るだけだと思います」

 京都産業大の躍進には、下級生の力も大きかった。MF食野壮磨(2年=G大阪ユース)やMF中野歩(2年=G大阪ユース)、FW原田烈志(3年=G大阪ユース)らG大阪ユース出身者6人を含め、筑波大戦は下級生8人がスタメンを張った。頼もしい2、3年生の主力が残り、この経験を来年度以降の飛躍につなげていく土壌はある。田中は「後輩たちはここで感じたことを糧にしていってほしい」と想いを託した。

(取材・文 佐藤亜希子)
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