beacon

[MOM769]流通経済大DF佐々木旭(4年)_新境地CBでMVP受賞の川崎F内定DF、チョウ監督の指導体現

このエントリーをはてなブックマークに追加

流通経済大DF佐々木旭(4年=埼玉平成高/川崎F内定)(3番)

[12.14 全日本大学選手権準々決勝 流通経済大 2-0 国士舘大 ギオンス]

「チョウさんがもう一回ラインコントロールや細かいところを言ってくれたので、自分たちで整理して試合に臨めた。入りからいい試合ができたと思います」。今季センターバックを務める流通経済大(関東1)DF佐々木旭(4年=埼玉平成高/川崎F内定)は準々決勝の内容に手応えをにじませた。

 初戦の反省を生かし、危なげない試合運びを見せた。昨季流経大のコーチを務めたチョウ・キジェ氏からの指導をピッチ上で体現した形だった。

 流経大は優勝候補の本命だが、初戦となった2回戦・新潟医療福祉大戦で苦戦。先制を許し、延長戦の末に辛くも勝ち上がっていた。そうした中で準々決勝前日の13日、現京都サンガF.C.監督のチョウ氏がチームに合流。初戦の修正ポイントが示され、10分間の指導が行われた。

「今までセカンドを拾えなかったのは、自分たちのせいだったとチョウさんに言われた」。ラインの低さを指摘された佐々木と家泉怜依(4年=藤井学園寒川高/いわきFC内定)のCBコンビを中心に、準々決勝はラインアップを遂行した。

「ラインを上げる意識というのは去年からずっと言われていて、声をかけてやっているつもりだったんですが、改めて見てもらったら甘かった」。相手のゴールキック時、フリーキック時は最終ラインを押し上げ、コンパクトな守備陣形へ。良い距離感を保ってプレッシャーをかけることでセカンドボールの回収で優位に立ち、試合を支配することができた。

 もちろん、ラインを上げることで背後を突かれるリスクはあるが、「裏を取られたら戻ればいい」との言葉どおり、カバーリングで窮地を防いだ。「ビビって下げちゃったらセカンドも拾えないし、自分たちの距離感でサッカーができない。裏を取られたら、全部カバーしてやるっていう気持ちで試合に臨んでます」。試合を通して、危険なシーンはほとんど作らせなかった。
 
 左サイドバックを本職とする佐々木は今年、チーム事情でセンターバックを務めてきた。当初は葛藤もあったが、大きく成長を遂げた。「今思えば、成長できたことは一年間を通してたくさんあった。相手FWに体格が大きい相手、速い相手、いろんなタイプがいるので、そこの対応の仕方はサイドバックに戻ったときに分かると思います」。新境地を切り開いたシーズンの活躍が評価され、関東大学サッカーリーグMVPを受賞した。

 卒業後は川崎フロンターレの一員になる。川崎Fの練習参加では本職のサイドバックだけではなく、センターバックでもプレーした。選手として幅を広げたことで、可能性も広がる。SBとCBをハイレベルでこなす川崎FのDF車屋紳太郎は目標となる存在。「どちらも出来るという面で、自分も車屋選手みたいにCB やってもSBやっても、日本代表に選ばれるくらいのクオリティを出していきたい」と意欲を燃やした。

(取材・文 佐藤亜希子)
●第70回全日本大学選手権(インカレ)特集

TOP