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わかっていても止められない…熊本内定の駒澤大FW土信田がインカレ2戦3G&公式戦7戦連発「たまたまです」

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FW土信田悠生(4年=高川学園高/熊本内定)

[12.14 全日本大学選手権準々決勝 筑波大 0-1 駒澤大 浦安市]

「わかっていても止められないのが現状」。筑波大の小井土正亮監督は準々決勝の試合後、Jリーグ内定者が揃う駒澤大の3トップと向き合った印象を率直に話した。その破壊的なトリオの中心にいるのがエースFW土信田悠生(4年=高川学園高/熊本内定)。今大会2試合目ですでに3得点を挙げ、リーグ戦も含めると7試合連続ゴールの大爆発を遂げている関東大学リーグの得点王だ。

 初戦の東海学園大戦(○4-1)で2ゴールを挙げた土信田は、強敵の筑波大戦でも猛威を振るった。まずは前半6分、MF宮嵜龍飛(4年=駒澤大高)からのスルーパスに反応すると、GKの動きを見ながらの左足ループシュートで先制点を記録。10月23日の関東大学リーグ1部の法政大戦から続いている連続ゴールを7試合に伸ばした。

「立ち上がりにチームでしっかり入ろうと話していたので、その中で取れた1点ですごくよかった。あのシュートを決めたことは練習でもあまりないけど、GKが出てきたのがすごく見えて、浮かせたら入るんじゃないかなと思って打った。たまたまです」。

 その後も前線で次々にボールを収め続け、空中戦でも高い勝率を誇ると、前半30分と後半18分には完璧なヘディングシュートを披露。前者はゴールに入るもオフサイド、後者は相手GKのスーパーセーブに阻まれたものの、激しい風雨が吹き付ける厳しいコンディションの中でも圧倒的な存在感を放っていた。

「点を取れているのはたまたまな部分が多いと思うけど、練習でうまくできているのが試合に出ていると思う」。

 とにかく謙虚に語る背番号10だが、相手指揮官の言葉どおり相手チームに絶大な脅威を与える存在だ。今季の関東大学リーグで得点王を争い、同じ14点ながらチーム成績の差でタイトルを逃した筑波大FW森海渡(3年=柏U-18)も「リーグ最終戦でも土信田さんに得点を決められ、得点王を奪われた。今日もFWの差が出たと思う」と振り返った。

 そんなストライカーは高川学園高時代から、高さを生かしたプレーで全国から注目を集める逸材だった。だが、駒澤大でさらにプレーの幅を広げてきたという。「監督からボールにヘディングで行くことは練習からすごく言われている。ボールへの行き方、飛び方が高校時代とは全然違う」。秋田浩一監督の下で身につけたしなやかさと力強さを兼ね備えた空中戦は、大学トップレベルのDFをも苦しめるストロングポイントとなっている。

 卒業後はJ2リーグ昇格を果たしたロアッソ熊本への加入が内定。2日間の練習参加を行った際には「ヘディングであったり、ポストプレーは通用した」という手応えを覚えたという。その一方で「守備の強度の部分が足りなかった」と課題も感じ、強度の高い駒澤大の中でトライ中。このインカレでもうひと伸びし、プロ生活でも好スタートを切るつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
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