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J2降格も契約更新…天皇杯決勝前に決断した大分GK高木駿「長く在籍してチームを引っ張っていかないと」

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大分トリニータGK高木駿

 大分トリニータは19日、クラブ史上初の天皇杯決勝で浦和レッズと対戦する。すでに来季のJ2リーグ降格が決まっている中、さまざまな思いを胸に臨む大一番。来季に向けて契約更新をかわしたばかりのGK高木駿は「明日の試合にかける思いは強いものがある」と力強く決意を語った。

 大分は17日、今季のキャプテンを務めていた高木との契約更新を発表した。J2時代の2017年からチームを支えてきた守護神は、12日に行われた天皇杯準決勝・川崎フロンターレ戦でビッグセーブを連発する大活躍を披露。J1クラブからの関心も予想されていたが、来季も大分に残ってJ2リーグでプレーすることを選択した。

 高木は18日に国立競技場で行われた天皇杯決勝の公式練習後、残留を決断した経緯を明かした。

「大分トリニータに在籍して5年目になるけど、チームに長く在籍して、しっかり活躍する選手がいなければいけないと思っているし、自分がそういう立場である人間だと自覚している。そういう人間がチームのために、大分のためにしっかりと長く在籍してチームを引っ張っていかないといけない思いもあった。何より大分が好きなので。このチームが好きだし。残ろうという思いより、しっかりと大分トリニータでやりたいという気持ちです」。

 天皇杯決勝というビッグマッチを前にしての契約更新。「(契約更新の順番で)町田也真人に一番手を越されてしまって、僕は二番手だったので悔しい(笑)」と冗談も交えた高木だったが、大きな決断を終えたことは目の前の一戦に向けても前向きな影響がありそうだ。

「来季もプレーできるという状況でこの試合に臨めるのは選手としてありがたい。全員が一緒の気持ちでもあると思うけど、本当に大分トリニータのためにという気持ちで臨める。そういう姿勢を大分の人たちに見せられると思う。いいタイミングで契約更新できたし、発表した意味とか明日の試合にかける思いは強いものがある」。

 またそんな天皇杯決勝で勝利することができれば、J2所属にもかかわらずAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得することができる。大分にとってはもちろん初の快挙。九州の地に初めて天皇杯タイトルが到来するだけでなく、初めて国際舞台のチャンスがやってくる。

 高木は「本当にいいチャレンジができると思うし、大分トリニータにとっては未知の世界だと思うので、そういうものを自分たちで掴み取れる位置まで来ている」と期待を語りつつ、「来季のスケジュール的にはものすごく大変なことになると思うけど、それも含めてチャレンジ。大分トリニータとしてチャレンジする権利を掴み取れれば大分の今後につながっていくと思うので、そこも含めて楽しみにしている」と意欲を燃やしていた。

 また何より天皇杯決勝はこれまで6年間にわたって率いてきた片野坂知宏監督の大分でのラストマッチ。高木にとっては大分での全ての時間を過ごしてきた指揮官だ。

「5年間一緒にやってきて、本当に素晴らしい人だと思っている。ここまで大分トリニータを率いてきてくれて選手として感謝している。とにかく最後のこの試合まで来られたので、カタさんだけのためではないけど、みんなで優勝を掴み取りたいし、掴み取ればカタさんへの恩返しにもなる。チーム全員で一丸となって掴み取りたい」。さまざまな思いを胸に、頼れる守護神が決勝でもゴールを守る。

(取材・文 竹内達也)
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