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優勝候補・流通経済大はインカレ準決勝敗退…「心に穴が空いた」J内定者たちは新たな勝利を目指す

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涙を流したDF宮本優太(4年=流通経済大柏高/浦和内定)

[12.19 インカレ準決勝 流通経済大 1-2(延長)阪南大 NACK5]

 現時点でJ1内定者は7人、プロに進む選手は10人になる流通経済大。関東を制し、満を持して挑んだ全国の舞台だったが、あと一歩で敗れ去った。“流経大史上最強チーム”にはなれず、DF宮本優太(4年=流通経済大柏高/浦和内定)は涙。「心のどこかにポカンと穴が空いた感じ」と胸中を語った。

 流経大と阪南大の試合は前半スコアレス。先発メンバーには宮本、DF佐々木旭(4年=埼玉平成高/川崎F内定)、DF家泉怜依(4年=藤井学園寒川高/いわきFC内定)、MF佐藤響(4年=水戸啓明高/鳥栖内定)、MF菊地泰智(4年=流通経済大柏高/鳥栖内定)と来季のJ内定者5名が先発も、前半のシュート数は1本と不発に終わった。

 後半23分にはMF仙波大志(4年=広島ユース/広島内定)とFW満田誠(4年=広島ユース/広島内定)を投入。中野雄二監督も「自分たちのイメージ通りにはやれていた」と振り返るように、徐々に攻勢を強めていった。しかし、先制は阪南大。後半26分、クロスをFW松原大芽(3年=作陽高)に沈められた。

 だが、流経大は意地を見せる。失点から1分後、右サイドでボールを奪った宮本がPA手前にパス。菊地がすかさずPA左に通すと、反応した満田がゴールに迫る。相手GKに倒され、PKを獲得した。キッカーは宮本。冷静に決め切り、1-1と同点にした。

 試合は延長戦へ。すると、延長前半5分にスコアが動く。流経大は阪南大にCKから得点を奪われ、1-2と再び追いかける展開となった。その後は猛攻を仕掛けるも、そのまま延長後半15分間でもゴールは決めれず。1-2のまま準決勝敗退が決まった。

 中野監督は「今日勝ってれば、決勝の舞台の前に“流経史上最強のチーム”だって言おうと思っていたんですけど。負けちゃったんで、最強とは言えない」と前置きしつつ、4年生をねぎらう。「常にどの年も充実しているんですけど、結果も伴っていたし、非常に充実した世代だった」。

「優勝して終わってほしかったなっていう思いが強かったので、負けた瞬間は非常に残念でした。だけど、こういう舞台でちゃんと戦えたっていうことは本当に有難いし、感謝もしています」(中野監督)

 宮本は「心のどこかにポカンと穴が空いた感じで、非常に悔しい試合になりました」と胸中を吐露。「J内定者が多くいて、リーグ優勝をして、世間からは関東1部の王者が、間違いなく優勝候補と思われていた。その中でもそういうプレッシャーにも打ち勝てず、こういうところで負けてしまったのは、チームの詰めの甘さが、最後の最後に出てしまったのかなと思う」。J内定者たちはプロ入りを前に大きな挫折を味わった。来季からは心の穴を埋めるベく、仲間の思いを紡ぐため、新たな勝利を目指していく。

(取材・文 石川祐介)
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