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ゴールラッシュの鹿島、岩政は「勘違いしてはいけない」

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[3.19 ACL・GL・F組第2節 鹿島(日本)6-0ナムディン(ベトナム) カシマ]

 9-1で圧勝した12日のグループリーグ第1節・クルンタイバンク(タイ)戦に続く2試合連続のゴールラッシュ。鹿島が順調な滑り出しで、F組首位を守った。
 文句なしのスタートダッシュだ。J1との序盤4連戦で公式戦4連勝。4試合で大量21得点を記録し、失点はわずかに1。非の打ちどころのない成績だが、試合後のDF岩政大樹(26)は表情を緩めようともしなかった。
 「勘違いしないようにしないと。これからが本当の戦い。悪くないのは間違いないけど、長いシーズンの最初だし、特にいいとは思っていない」。Jリーグの2試合は、ともに昇格組の札幌と東京V。ACLもクルンタイバンク、ナムディンは戦前から格下と見られていた相手だ。グループリーグ突破に向けては北京国安(中国)との直接対決(4月9日にホーム、同23日にアウェーで対戦)がヤマ場になる。「これからもっと厳しい相手が出てくる。そのとき真価が問われると思う」。岩政は厳しい口調で話した。
 とはいえ、現状では鹿島の充実ぶりを否定できない。この試合でも前半のミスを後半はきっちりと修正し、最終的には6-0の大勝劇で締めくくった。前半は1-0。引いて守る相手を圧倒的に攻め立てたが、ボールをポゼッションできるあまり、逆に中央突破にこだわりすぎ、集中力を欠いたパスミスも目立った。
 MF小笠原満男(28)は「3つぐらいパスコースがあって、探している間に寄せられて、結局慌ててどっちつかずのパスになったりしていた。前半は欲張っていた」と分析する。だが、ハーフタイムに「うまくいってないムードを出すともっと悪くなる。逆に焦らないようにやろうと話した」(岩政)と落ち着いて対応。FWマルキーニョス(31)も「サイドに流れる動きを後半は増やした。斜めに飛び込む動き。後半は自分がサイドに動くことで中央にスペースをつくった。そこに他の選手が入って、得点を生むことができたと思う」と話したように、しっかりと修正し、サイド攻撃に厚みをもたらした。
 前半はシュート11本で1得点だったが、後半はシュート12本で5得点と半数近くをゴールにつなげた。それだけ攻撃の形をつくれていた証拠だ。小笠原は「前半から分かっていれば、もっと楽にできた。でも最終的にこれだけ点が入ったのはよかった」と納得の表情を見せた。前後半で違う顔を見せた鹿島だが、結果的にはその「対応力」「修正力」が際立った完勝だった。

(取材・文 西山紘平)

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