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[横山杯]新チームの目標は「常勝」。八千代がPK戦の末、韮崎との伝統校対決を制して4強入り

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PK戦勝利を決めた八千代高イレブンが歓喜のダッシュ

[12.26 YOKOYAMA MEMORIAL CUP準々決勝 韮崎高 0-0(PK4-5)八千代高 鈴屋旅館グラウンド2]

 冬の「サッカータウン波崎」で強豪24校が新シーズンへ向けて力を磨く「全国ユース招待サッカー大会 ~YOKOYAMA MEMORIAL CUP~」は26日午後、準々決勝を行った。韮崎高(山梨)対八千代高(千葉)戦は0-0で突入したPK戦の末、八千代が5-4で勝利。八千代は27日午前の準決勝で帝京高(東京)と戦う。

「常勝」を目標とする伝統校が紙一重の勝負を勝ち切った。ともにインターハイ日本一の歴史を持つ強豪対決は前半、八千代が先に主導権を握る。DFラインから、相手を見ながら丁寧なビルドアップ。そして、豊島隆監督が「ゴリゴリしている。結構面白いです」と評するFW輿石疾風(2年)のキープ力とFW田中颯真(2年)のテクニック、BチームからAチームに食い込んできたMF鎌形煌聖(2年)の正確なパスなどを交えた崩しにチャレンジする。

 だが、韮崎は徐々に対応。前線からのプレッシャーで相手が攻め切る前にボールを奪い返し、推進力のあるFW平井蒼吏(2年)や高速SH倉岡泰輝(2年)がクロスへ持ち込む。前半25分頃から八千代のコンビネーションに連続して守りを崩されるが、191cmGK清水大暉(2年)のビッグセーブやCB大野孔之主将(2年)、MF萩原悠翔(2年)を中心とした粘り強い守りで得点を許さない。

 逆に韮崎は前半終盤から後半にかけてFW大森岳(2年)や平井がクロスや抜け出しからのシュートで八千代ゴールを脅かした。だが、八千代はチーム事情でCB起用されている實川俊輔主将(2年)や「潰し屋で、成長してきましたね」(豊島監督)というMF鈴木朝陽(2年)らが踏ん張って得点を阻止。互いにミスもあった一方、球際で激しい攻防を見せ、チャンスを作り出す力も示した。

 だが、決定打は生まれず、決着はPK戦に委ねられた。PK戦は後攻・八千代4人目のシュートを韮崎GK清水が右へ跳んでストップ。だが、その直後、八千代GK平尾涼介(2年)が、韮崎5人目のシュートを止め返す。さらに平尾は韮崎6人目のシュートも右へ跳んでストップ。最後はFW山市晴喜(2年)が右足で決めて八千代が5-4で勝利した。

 21年は八千代、韮崎ともに関東大会へ出場。だが、韮崎はインターハイ、選手権ともにあと一歩のところで全国に届かず、八千代も選手権予選は準々決勝で涙を呑み、他の選手権出場校よりも早く新チームのスタートを切っている。この日は八千代がFW納富惇也(2年)やMF榎本直紀(2年)、韮崎もFW鷲見バーネット類(2年)やMF外川翔瑛(2年)といった主軸候補が不在。その中でも代役選手含めてピッチに立った選手が良さを出し合い、一進一退の好ゲームになった。

 そのゲームを勝ち切った八千代の實川は、「自分たちの代は『常勝』を目標にしているので、勝ち続けるという意味でちゃんとゼロに抑えて、たくさん点を取って勝ち続けていけたらなと思っています。(横山杯で)こういうトップトップのチームに、自分たちのプレーで勝ち続けていければ(千葉のライバルである)流経(流通経済大柏高)相手でも自分たちのプレーができるようになって勝てるんだと思います」。自分たちのサッカーを貫くこと、「常勝」にこだわる八千代が、「全国ユース招待サッカー大会 ~YOKOYAMA MEMORIAL CUP~」を22年の飛躍のきっかけにする。

(取材・文 吉田太郎)
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