beacon

[MOM3717]静岡学園MF高橋隆大(2年)_ライバルはプロ内定の先輩…157cmのドリブラーが豪快弾

このエントリーをはてなブックマークに追加

積極的に仕掛けるMF高橋隆大(2年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.29 選手権1回戦 静岡学園高 5-0 徳島商高 フクアリ]

 スタメンで唯一の2年生が積極果敢なプレーで自身に、そしてチームに勢いをもたらした。前半3分、相手CKのカウンターから静岡学園高(静岡)のMF高橋隆大(2年)がセンターライン手前でボールを持つと、そのままドリブルで仕掛ける。相手選手2人に対応されながらも強引にフィニッシュまで持ち込んだ。

「あれが自分のファーストプレーだったと思うけど、今日の試合で自分が乗れたのはあそこかなと思っている。(周囲の選手からパスを)呼ばれてたけど、強気に行くことで自分も乗れるのは分かっていた。囲まれてスピードダウンしちゃったけど、最後は右足に持っていけたので振り切ろうと思った」

 右足のシュートは相手GKが好セーブ。「割と良いコースに行って、ちょっと入ったかなと期待したけど、CKになったのでよかったのかなと思う」。このプレーで獲得したCKからMF小泉龍之介(3年)が先制点。その後も157cmのドリブラーは果敢に仕掛け、前半23分には際どいシュートも打った。

 それでも前半は1-0で終了。「先制してから停滞した。後半は井田さん、(川口)修さんに喝を入れられた」。ハーフタイムには井田勝通総監督、川口修監督のゲキも飛び、後半7分に待望の追加点を奪うと、同9分、小泉からパスを受けた高橋がドリブルでPA内右に切れ込み、右足を振り抜いた。

「前半からチャンスがあって決め切れなかったけど、気持ちを落とさずに、強気でどんどんゴールを狙っていこうと思っていた。思い切って振り切って、良いコースに飛んだのでよかった」。高橋の豪快なひと振りで3-0。その後も立て続けにゴールが生まれ、終わってみれば5-0の快勝だった。

「結果が大事。過程だけでは評価されない世界というのは分かっている」。2年生MFがそう力を込めるのには理由がある。ポジションを争うのは清水内定のMF川谷凪(3年)。選手権予選では川谷のケガもあって高橋が先発を務めてきたが、今月12日に行われた高円宮杯プレミアリーグプレーオフ決勝の愛媛U-18戦では川谷に先発の座を奪われていた。

「ライバル的な存在として、良い先輩でもあるけど、清水内定の(川谷)凪くんがいて、結果を残さないと生き残れない世界というのは分かっていた」。実際、愛媛U-18戦では途中出場の高橋が決勝点。その活躍もあり、この日は再びスタメンの座を勝ち取った。「この大舞台で結果を残すのは評価アップにつながるし、自分のこれからのサッカー人生にもかかわってくる。3点目だったけどうれしかった」と喜びを隠さなかった。

 中1日の31日に迎える2回戦では、流通経済大柏(千葉)を破った近大和歌山(和歌山)と対戦する。「流経を倒したということで強いチームというのは分かる。自分たちのサッカーをすることによっていい結果が付いてくると思うし、もう一回気持ちを引き締め直して、一つずつ上に進んでいきたい」。まだ初戦。チーム内の激しい競争も王座奪還への大きな力となるはずだ。

(取材・文 西山紘平)

●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 全試合ライブ&ダイジェスト配信はこちら

TOP