beacon

後半2トップに変更して猛攻…岡山学芸館が逆転勝利!羽黒は県勢15年ぶり白星ならず

このエントリーをはてなブックマークに追加

岡山学芸館高が3大会ぶりに2回戦へ(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.29 選手権1回戦 羽黒高 1-2 岡山学芸館高 ニッパツ]

 12月29日に行われた、第100回全国高校サッカー選手権1回戦。ニッパツ三ツ沢球技場での羽黒高(山形)対岡山学芸館高(岡山)は、MF荒井晴太(2年)の得点で羽黒が先制。しかし、DF井上斗嵩(2年)、MF山岡亮太(3年)のゴールで岡山学芸館が後半に逆転し、初戦突破を決めた。

 ボールが落ち着かない立ち上がりとなったが、岡山学芸館はセットプレーからFW今井拓人(2年)、MF木村匡吾(2年)が続けざまにシュートを放つ。一方の羽黒もセットプレーからチャンス。MF市原大斗(3年)の右CKで、低いボールを入れると、DF越前谷公哉(3年)がニアでダイレクトで合わせる。右足から放たれたシュートは、クロスバーをかすめてゴールラインをわってしまった。

 序盤は岡山学芸館がペースを握ったが、中盤以降は羽黒がリズムをつかむ。前半終了間際の39分、左サイドでFW吉波胤希(3年)がためをつくって市原へ。クロスを岡山学芸館DFがさわるとボールはゴールへ向かう。GK寺島紳太朗(3年)が反応するも、こぼれたところを荒井が押し込み、スコアを動かした。

 羽黒は主将でCBの岩村光晟(3年)が「目の怪我」のため、ベンチスタートに。その代わりを担ったのが、本来はボランチの背番号10、吉田真(3年)だった。「先制を取って無失点で」というプラン通りに、最初の40分を終えた。

 0-1というスコアでハーフタイムに入った岡山学芸館の高原良明監督は、「前からのプレスを連続して行う」ことを指示。「ボールを落ち着かせる力がある」MF檀野世那(3年)をピッチに送り込んで、システムを4-2-3-1から4-4-2に変更、ボールを握りつつ前への圧力を強めた。

 すると早速2トップに移ったMF寺脇琉生(3年)の落としから、2列目左に入った山岡が抜け出してGKと1対1を迎えるも、シュートはゴールマウスからわずかに外れてしまう。それでも、後半16分、MF竹川奏(3年)の右CKがファーに向かうと、GKが飛び出すもクリアしきれず、FW今井拓人(2年)が頭で中央へ。最後は井上が押し込んで、試合をふり出しに戻した。

 後半は羽黒にシュートすら許さず、押し込む岡山学芸館。攻勢が実ったのは終了2分前、ミドルレンジから山岡が右足を一閃すると、DFにあたって軌道が変わったシュートは、GK渡辺賢斗(3年)の頭上を超えてゴールネットを揺らした。

 土壇場の逆転弾で、岡山学芸館が劇的な勝利を飾った。「初戦のむずかしさあった」と選手の動きが固かったことを認めた高原監督は、「ワイドを起点にした攻撃的なサッカーができれば」と次戦以降に期する。

 山形県勢として15年ぶりの勝利にあと一歩まで迫った羽黒だったが、初戦で大会を去ることになってしまった。「思った以上に戦えた」と本街直樹監督は評価するが、本街監督も、吉田も、全国大会でのレベルの高さを痛感した。「全国で戦える強さを見据えて」(吉田)、と背番号10は後輩たちに「選手権初戦突破」という目標を託した。

(取材・文 奥山典幸)

●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 全試合ライブ&ダイジェスト配信はこちら

TOP