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[横山杯]新主将のCB大野孔之が感じた「残り15分の大事さ」。韮崎は3つの準優勝から紙一重の勝負で勝つチームへ

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伝統校・韮崎高のCB大野孔之は最終ラインからの声でチームを動かし、また鼓舞していた

[12.26 YOKOYAMA MEMORIAL CUP準々決勝 韮崎高 0-0(PK4-5)八千代高 鈴屋旅館グラウンド2]
 
 この1年間の経験を糧とし、必ず目標を達成する。山梨の伝統校・韮崎高は、「YOKOYAMA MEMORIAL CUP2021」準々決勝で敗退。序盤は八千代高(千葉)にパスワークに間を取られるようなシーンが続いたが、徐々に対応して前からのディフェンスでボールを奪い切り、ショートカウンターへと持ち込んだ。

 新主将のCB大野孔之(2年=ヴァンフォーレ甲府U-15出身)は「チームでベクトルを前にして、ショートカウンターとかシュートで終われていたことも多かったから良かった」と振り返る。声でチームを統率する大野やMF萩原悠翔(2年)のサポートから、推進力ある動きを見せていたFW平井蒼吏(2年)らアタッカー陣が相手ゴールを強襲。前後半ともに惜しいシーンを作り出していた。

 ピンチもあったが、191cmGK清水大暉(2年)の好守もあって無失点。PK戦では清水が4人目を止めて勝利に近づいた。だが、5人目、6人目が連続で止められて敗退。接戦で勝ち切ることができなかった。

 韮崎は21年、関東大会予選、インターハイ予選、選手権予選でいずれも準優勝。インターハイ予選は決勝の延長後半ラストプレーで決勝点を許し、選手権予選では延長後半3分に先制点を奪いながら同8分に追いつかれ、PK戦の末に敗れている。

 就任1年目の小泉圭二監督は「判断力やコントロールする力はついてきたと思う」と認める一方、「八千代や学院といった経験値のあるチームは(PK戦などの逆境でも)落ち着いている」。紙一重で逃したタイトルを掴むためには勝負どころで冷静に自分の力を発揮できるかも重要。足りなかったものを突き詰め、惜敗を白星に変えることを目指す1年だ。

 指揮官は「常に(県大会の)決勝へ行って、全国狙えるところの位置をキープすること。みんなの目標である全国というところをしっかり狙える位置にいよう」と選手たちに伝えたという。それに対し、大野は「力をつけて、すぐには結果が出ないので一つ一つの練習ゲームから勝ちにこだわって、その中でどういう戦い方をするのか考えながらやっていくことが大事だと思います」と意気込んだ。

 県決勝のピッチに立ち、先輩たちの涙を目の当たりにしてきた大野は、「チームのキャプテンとして認められることも大事だと思いますし、精神的な面でもチームが仮に下を向いた時には自分が率先して顔を上げて戦うんだと、そういったことを伝えられる、自信あふれるキャプテンになりたいと思います」と誓う。早速表現している主将は「本当に素晴らしいキャプテン」という前主将のMF佐藤寧峰(3年)以上の覚悟と責任感を持って新しい1年をスタートしている。

 見て、判断して、伝えることはこの1年間で重要だと感じた部分。もう一つは「残り15分の大切さ」だ。「試合を通して残り15分の大事さを凄く感じました。インターハイもラストの1プレー、山学もそうだし、練習試合でも勝ちきれる試合で同点になってしまった。守備の選手としても失点は気にするし、残りの15分というのは学ぶことが多かったので、守備の力とか気持ちの持って行き方とか、戦い方を今みんなと共有しています。来年は山梨県で1位を獲ることを最大の目標にやっていて、そのために一番近い新人戦を勝ちに行く。一人ひとりが成長して2冠ということを目標にいていきます」。21年に足りなかったものを突き詰め、大一番で勝ち切る力を身に着けて目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
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