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[横山杯]迫力とセーブ力兼備の三浦学苑GK鈴木蓮也。ラストプレーで失点、逆転負けした選手権の悔しさを「忘れてはいけない」

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三浦学苑高GK鈴木蓮也は市立船橋高とのPK戦で2本をストップ

[12.27 YOKOYAMA MEMORIAL CUP5位決定戦 三浦学苑高 1-1(PK4-3)市立船橋高 ジャーニィー若松A面]

 神奈川の強豪、三浦学苑高が「YOKOYAMA MEMORIAL CUP2021」5位決定戦でプレミアリーグ勢の市立船橋高(千葉)にPK戦の末、勝利。5位で大会を終えた。GK鈴木蓮也(2年=FC AIVANCE YOKOSUKA出身)は、「みんなが足を止めず最後身体を張って止めてくれたのが勝ちに繋がったと思います」と仲間たちに感謝。自身もPK戦で2人目、3人目を連続でストップし、勝利に大きく貢献した。

 鈴木は183cm、75kgで、迫力のある守護神だ。1年時は怪我の影響でほとんどプレーできなかったというが、2年生の夏頃からAチームの先発に。シュートセーブを得意とするGKは選手権予選3回戦・横浜創英戦のPK戦で相手を威圧し、3本全てを枠外へ蹴らせて勝利している。「今回はちゃんと止めたいと思った」というこの日は、予め跳ぶ方向を決めて連続セーブ。PKセーバーとしての力もあることを証明した。

 その鈴木が、「本当に悔しくて、今でもたまに思い出すくらい」という試合がある。選手権予選準決勝の相洋高戦だ。三浦学苑は先制されたものの、相手を見ながらボールを動かし続けて逆転。だが、後半ラストプレーで追いつかれ、延長戦で勝ち越しゴールを許して逆転負けを喫してしまう。

 今年の神奈川4強の中で、特に質の高い攻撃を見せていたのが三浦学苑。選手も、スタッフにとっても簡単には立ち直れないような敗戦だった。それでも、鈴木は「自分はあのピッチに立たせてもらった以上、悔しさを忘れたらいけないと思うし、この思いをみんなに伝えて練習から盛り上げて行って、去年よりも強いチームにして、もっと上に行けたら良いと思います」と誓う。

 MF明石梓希やFW福田大我ら3年生は個々の力もある世代だった。新チームもFW武田大夢(2年)や鈴木を残すが、現状では先輩たちのような個の力はない。それでも、枝村隼人監督は「まとまりがある」と評し、その団結力と努力で壁を乗り越えることを期待する。

 鈴木も「今年はまとまり、団結力があるかなと思います」。ミスが起きても各選手がマイナスではなく、前向きな声がけを意識。そのチームの中で鈴木は「GKとしてみんなを引っ張れる存在になれたらよいと思っています。チームを勝たせられる、みんなに信頼されるGKになりたいです」と意気込む。

 個人としては、判断面など改善し、チームを勝たせられる守護神、リーダーになることが目標。そして、「(これからの1年で)後悔のないというのは難しいと思うんですけれども、少しでも後悔を減らしたりとか、一日一日の練習を大切な時間にして、みんなで一致団結して頑張りたいと思います」。ラストプレーの失点、逆転負けの悔しさを忘れずに努力を続け、仲間たちとともに1年後に選手権の舞台に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
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