beacon

[MOM3743]大津MF川口敦史(3年)_試合前に受けた”旧友”からの刺激。「自分も負けたくない」と鮮烈2発!次戦は直接対決

このエントリーをはてなブックマークに追加

大津高MF川口敦史(3年=鳥栖U-15唐津)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 選手権2回戦 東福岡高 0-4 大津高 熊谷陸]

 試合前にあった出来事が、これ以上なくモチベーションをかき立てた。「小学校から一緒のチームでずっと一緒にサッカーしていたので、ライバル心があった。試合前にああいったシュートを決めているのを見て、自分も負けたくないと思った」。大津高MF川口敦史(3年=鳥栖U-15唐津)は試合後、2ゴールの大活躍の裏に“旧友”への思いがあったことを明かした。

 熊谷スポーツ公園陸上競技場で行われた全国高校選手権2回戦。第1試合では佐賀東高が前回王者の山梨学院高を2-0で下す快挙を演じたが、そこで決勝ゴールを挙げたのはMF中山琉稀(3年=鳥栖U-15唐津)だった。

 佐賀県唐津市出身の川口にとって、同郷の中山は小学校時代の肥前FCジュニアからサガン鳥栖U-15唐津で共にプレーしていた元チームメート。鳥栖U-15唐津では川口が10番、中山が6番を背負い、レギュラーとして全国大会に出場した実績もある。

 そんな“旧友”が同じ会場で前回王者を破る大活躍——。これから第2試合を控える立場として、刺激にならないはずがなかった。

 そうして迎えた東福岡高との一戦、川口は前半10分にさっそく大仕事を成し遂げた。FW一村聖連(3年)からの浮き球パスにペナルティエリア内で反応すると、相手DFに当たったこぼれ球に合わせて左足を一閃。「とにかく枠にシュートを打とう」と放ったシュートで先制のネットを揺らした。

 大津は1回戦の中部大一高戦で5-0の完勝。途中出場のMF碇明日麻(1年)ら5選手がそれぞれゴールを決めていたが、川口は得点を挙げることができていなかった。それどころか最後に記録したゴールは、8月中旬に行われたインターハイ3回戦の高岡一高戦(○2-0)。「とにかく取りたいと思っていた」という思いをぶつける一撃だった。

 そんな川口は後半8分にも追加点。右サイドでボールを受け、カットインからの左足シュートでファーポスト脇を撃ち抜く見事なゴラッソを沈めた。「1-0だと気持ち的に焦ったりするので追加点を意識していた。自分の得点でチームに余裕が出たと思うので良かった」。このゴールが東福岡にとっての致命傷となり、さらに2点を重ねた大津は4-0で完勝。前回出場時の2018年度に続いての3回戦進出を決めた。

「プレミアリーグの東福岡には負けたくない気持ちが強かった。勝てたことが良かった」。

 そうほっとした表情を見せた川口だが、次の試合に話が及ぶと言葉にさらなる熱がこもった。3回戦の相手は佐賀東。ライバル視している中山のほかにも、DF平川周汰、DF坂本空雅といった元チームメートが多数所属する故郷の名門校との直接対決が控えているからだ。

「自分も高校選びで迷ったことがあるくらい、佐賀東は名門だと思っている」。そんな過去も明かした川口だが、「パスサッカーが面白いし、練習の雰囲気も面白かった」と大津を選んだ選択には自信を持っている。

「中学時代はあまり体力がなく、全然走れない選手だったけど、大津に来てから走れる選手になった」。かつての仲間に打ち勝つため、自らが選んだ道の価値を証明するため。見据える先は来年1月2日、熊本の名門で戦う背番号7は「絶対に負けないようにしたい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)

●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 全試合ライブ&ダイジェスト配信はこちら

TOP