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準々決勝出場停止も桐光学園MF山市主将は仲間を信頼「県の準決勝も大学受験で…」

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桐光学園のMF山市秀翔主将(3年)は準々決勝が出場停止に(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権3回戦 帝京長岡高 1-1(PK3-5)桐光学園高 等々力]

 たとえ勝ち上がっても自分が準々決勝のピッチに立てないことは分かっていた。桐光学園高(神奈川)のMF山市秀翔主将(3年)は前半7分に今大会2枚目のイエローカードを受け、累積警告により次戦の出場停止が決まった。「不用意なイエローカードをもらってしまったことは直さないといけない」と反省しながらも、気持ちを切らすことなく、劣勢の前半を耐え、後半の反撃につなげた。

「前半は引きすぎて、相手のペースに飲み込まれてしまった。後半は前からもっとプレスをかけて、相手の自由を奪ってセカンドボールを拾って2次攻撃しようという話がハーフタイムに出た。それがうまくハマって攻撃を展開できた」

 0-1の後半23分に得意のセットプレーから同点に追いつき、試合は1-1のままPK戦へ。相手の2人目をGK吉田優翔(3年)が止め、決めれば勝ちという状況で5人目のキッカーを務めたのが山市だった。

「思い切り振ろうと思った。絶対に勝つという気持ちをボールに乗せれば、絶対に入ると監督からも言われている。絶対に決めるんだという強い意志を持って蹴り込んだ」

 2試合連続のPK戦勝利で9大会ぶりの8強入り。4日の準々決勝では高川学園高(山口)と対戦することが決まった。しかし、そのピッチに山市は立つことができない。それでも「県予選の準決勝のときも自分は大学受験があって、途中出場だった。その経験がチームのみんなに生かされると思う」とチームメイトを信頼する。

 神奈川県予選準決勝の東海大相模戦。試合当日の午前中に大学受験があった山市は先発を外れたが、受験を終えて後半28分からピッチに入った。チームはその後、決勝点を奪い、1-0勝利。“山市不在”の状況で戦った経験がここに来て生きるはずだ。

「自分が(試合に)出ているときにサポートしてくれた仲間がたくさんいる。今度は自分がそれをやる番だと思うので、仲間が最高のパフォーマンスを発揮できるようなサポートをキャプテンとして全力でやっていきたい」。そう誓った山市は裏方役としてチームを支え、聖地・国立で再びピッチに立つつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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