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強烈ミドル&決定的ヘッドも及ばず…仙台育英の大型ボランチMF島野怜「最後の質を高めていきたい」

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MF島野怜(3年=鹿島Jrユース)

[1.2 選手権3回戦 高川学園高 1-0 仙台育英高 等々力]

 ルーキーイヤーから異彩を放ってきた仙台育英高の大型ボランチMF島野怜(3年=鹿島Jrユース)が、最後の高校選手権を終えた。「自分に一番チャンスがあった中、決めきれなくて負けてしまったので、申し訳ない気持ちでいっぱい」。ラストマッチの悔しさを胸に、大学サッカーの世界でさらなる成長を遂げていくつもりだ。

 1年時から全国高校選手権の舞台を経験し、前回大会ではボランチながらハットトリックも記録した実績を持つ島野。キャプテンとして臨んだ今大会は直前のプレミアリーグプレーオフで負傷し、一時は出場も危ぶまれたが、初戦の2回戦・滝川二高戦(○2-1)からピッチに立ち、先制アシストを挙げて勝利に貢献した。

 3回戦のこの日も“点が取れるボランチ”という理想像を体現するかのごとく、両チーム最多となる3本のシュートを記録。だが、前半31分の左足ミドルシュート、後半18分のヘディングシュートはどちらも相手GK徳若碧都(3年)のファインセーブに阻まれると、終盤の失点で敗れて無得点のまま大会を去ることになった。

 仙台育英の城福敬監督は決定機を何度もつくりながらの敗戦を受けて「狙っていることは悪くないが、そこの精度を上げていくこと。やはり頂点を目指そうというチームはそこを必ずモノにできてるんだということを、彼らは身をもって体感したと思う」と敗因を分析。「彼らにも『やろうとしているサッカーは悪くないと思った。だけどそれの結果を求めるということに関しての精度、もっと濃密な正確性を求めていかないと国立ではできないんだ』ということを改めて言った。私も含めてそこを甘くならず、もっともっと高めていこうということを最後に話をさせていただいた。そこが足りないところだと、私も含めてまだまだ勉強しないといけないところ」と振り返った。

 島野自身も「こういう0-0で難しい試合の中で決めきれなかったというのが、いまの自分の最高の実力。自分の実力、技術、最後の質を見直して、もっと高めていきたい」と“決め切る”ことへの課題を指摘。卒業後は関東の強豪大への進学を控える中、今後のサッカーキャリアに向けて意気込みを語った。

「この大会ではプリンスリーグ、県大会の予選とは一味違った緊張感、楽しさがある。3年間やってきた中で1点差のゲームがほとんどだったので、最後の一本にかける気持ちは勝つためにより必要だと感じた。その中で、今日は自分が決めていれば勝てた試合だったのに決め切れなかった。ボランチだけど自分は“点を決められるボランチ”を目標に掲げている中、大学に進学してからも最後の質、自分でチームを勝たせる力を身につけられるように頑張っていきたい」

(取材・文 竹内達也)

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