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青森山田が認めた8強・東山の進化「夏と違う」「入りで圧倒された」来年度に託された全国制覇の悲願

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奮闘した東山(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.4 選手権準々決勝 青森山田2-1東山 等々力]

 リベンジは果たせなかった。総体ベスト8の東山高(京都)は選手権でも過去最高成績のベスト8に勝ち上がる躍進を遂げた。再び準々決勝で立ちはだかったのは青森山田高。「本気で勝ちに行く準備をしていた」(福重良一監督)と夏の雪辱を期した東山は対策を講じ、システムを変え、戦法を変えて襲い掛かった。

 迎えた前半16分、隙のない相手から、今大会初めて先制点を奪うことに成功した。MF松橋啓太(2年)のスルーパスでPA左を抜け出したDF仲里勇真(2年)が深い位置から鋭いクロス。ファーサイドのDF夘田大揮(3年)が競り勝ち、頭で押し込んだ。

 しかし、前半終了間際にPKで1-1に追い付かれると、ロングスローから2点目を献上。逆転を許した後は反撃に出たが、追いつくことはできなかった。「これが今の東山の実力です」と福重監督。主将MF木下慶(3年)は「点差以上に自分たちは差を感じている」と脱帽した。

 再び青森山田の壁に跳ね返されたが、ライバルは東山の“進化”を認めた。「1点ゲームは覚悟していけ」と警戒を強めた黒田剛監督は「かなり研究されながら戦った。すごくいいチームだと思った」と振り返った。相手選手からは「先制点を食らって、東山は夏と違ってプレッシャーが速くて、夏と比べて球際も全然違う。入りで圧倒された」という声も聞かれた。

 過去4度の出場は初戦敗退だったが、3年ぶりに舞い戻った選手権の舞台で堂々の8強入り。新たな歴史を切り拓いたのは、2年生がスタメンの半数を占める若いチームだ。推進力のあるドリブルで青森山田の脅威になったMF阪田澪哉(2年)をはじめ、MF真田蓮司(2年)やDF新谷陸斗(2年)、GK佐藤瑞起(2年)ら各ポジションに実力者が残り、この経験を来年度の飛躍につなげる土壌はある。

「2年生は技術がある選手が多いので、力強さやまとまりをもっと身につけていけば十分、全国優勝を狙えると思う。来年もう一度、僕たちのリベンジをしてほしい」。木下主将は頼もしい後輩たちに悲願を託した。



(取材・文 佐藤亜希子)

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