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なでしこジャパン女子W杯予選メンバー発表 池田太監督・佐々木則夫女子委員長オンライン会見要旨

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オンライン会見に出席した日本女子代表池田太監督(写真はZOOM画面のスクリーンショット)

 日本サッカー協会(JFA)は7日、オンラインで記者会見を行い、女子アジアカップ兼W杯予選に臨む日本女子代表(なでしこジャパン)のメンバーを発表した。同大会は20日に開幕し、日本はグループリーグ突破をかけて21日にミャンマー、24日にベトナム、27日に韓国と対戦する。

 メンバー発表会見では池田太監督、佐々木則夫女子委員長が約20分間にわたって質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

●佐々木則夫女子委員長
「皆さんのご協力により、発表させていただく機会をいただきまして本当にありがとうございます。なでしこジャパンのインド・ムンバイで行われますアジアカップ並びに2023ワールドカップの予選を含めた大切な大会でございます。そういった意味でもしっかりと皆さんのご期待に沿い、そして、また日本の皆さんに明るいニュースを届けるために頑張ってまいりたいと思います。是非、皆さん、関係各所、そして報道陣の皆さんもご注目をいただきまして、よろしくお願いいたします」

●池田太監督
「皆さん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。我々なでしこジャパンは、これから夢フィールドで国内キャンプを行い、そしてインドで行われる2022アジアカップにワールドカップ予選を兼ねてチャレンジしていきたいと思います。コロナ禍で色々な関係各所のご協力のもと、この活動ができ、そしてサッカーを通じて皆さんに喜びと元気を伝えられればいいなと思っています。2023年のワールドカップ出場権を確実に手にし、そして、我々日本女子サッカーがアジアの頂点に向けて戦う姿、熱い思い、熱い戦いが伝えられればいいなと感じています。是非、皆さんに応援していただきたいですし、期待していただきたいです。よろしくお願いします」

——メンバー選考にあたって重要視したことは。
池田「メンバーはスタッフとも協議して、色んな事を想定して選考した。10月に新しくなでしこが発足して、(国内で)トレーニングキャンプを行い、11月に海外遠征を行って、今月から大会ということで、期間が長くなかったので、限られたトレーニングキャンプの中で積み上げてきた選手たちというところにウエイトを置いた。この2回のトレーニングキャンプのところで積み上げたものをアジアの大会でぶつけられればと考えている」

——これまでの積み上げをぶつけるということで、10月の国内合宿、11月の海外遠征での課題と収穫になると思うが、それを受けてどのような合宿(1月)とインド遠征にしたいか。
池田「まずは我々が目指しているアグレッシブさとか、ボール、ゴールを奪いにいくというところは、国際親善試合ではゴールを奪えなかったので、もっと攻撃のバリエーション、ゴールを奪いにいく姿勢、シュートの数、相手のペナルティーボックスに入っていく回数も含めて、そういったアタックのところは精度を高めて、回数を増やしていきたい。また、予選のリーグを突破した後はノックアウトステージに入っていくので、勝負強さや粘り強さ、そういったところのバランスも考えて国内で良い準備をしてからインドに入りたいと思っている」

——佐々木女子委員長も監督としてこれまでに色んな大会を戦ってきたと思うが、アジアの大会に臨むうえで気を付けていたことは。
佐々木「なでしこジャパンはランキングが上なので、各チームが身を挺して日本を破りたいというような意識が高い。そういった相手の意気込みには絶対に負けないことが大事。あとは、日本は非常に良いピッチで練習や試合をしているが、アジア予選の中で、グランドのコンディションが悪いところがある。そういった会場とのコミュニケーションというのもしっかりしていくことが大事だと思う。また、今回インドの方が(日本より)気温が高い。暑熱対策するほどではないので、大丈夫だと思うが、各国の雰囲気に早く馴染んでコンデションをしっかり整えることが一番大切ではないかと思っている」

——前回の海外遠征の後に選手たちが隔離を強いられ、12月の予定していた国内合宿が白紙になったが、本来この合宿でやりたかったフォローアップなどはどのようにやってきたか、あるいはどうやっていきたいか。
池田「オランダとの試合後はバタバタと帰国の準備でまとまったミーティングはできなかったが、帰国して隔離中にウェブで振り返りのミーティングを行ったりだとか、選手とコミュニケーションをとる時間はとれたので、そこで国際親善試合のまとめは選手と共有した。また、今回の国内キャンプの冒頭でも10月のトレーニングキャンプ、(11月の)国際親善試合のところでの成果と課題をもう一回再確認してスタートしようと思っている」

——国内で公式戦の数が少なくなっている状況で、12月、1月に試合をやっていない選手たちがほとんどだと思うが、コンディション面の懸念は現状どのように捉えているか。
池田「選手によっては、皇后杯でノックアウトステージ方式でやっているので、ゲーム、プレーの時間はまちまちだと思うが、これはメディカルスタッフ、フィジカルコーチを含めて各選手と連絡を取りながらどのように過ごしてコンディションを整えていくかというところを個別にリサーチしながら計画を組み立てているところ。1月の集合時には、それぞれグルーピングするなど、チームとして整えていく作業から入っていくことを考えている。いずれにせよ集まってみて、選手の表情やコミュニケーションをとりながら進めていこうと思っている」

——WEリーグの秋春制にした意義の1つとして、年初に始まる国際大会に向けてコンディションを維持するということが掲げられていたと思うが、皇后杯を見るとWEリーグ勢の低調さが目立つ気がする。例年に比べれてこの時期の代表選手たちのコンディションは監督の目にはどのように映っているか。
池田「各所属チームの取り組み方や皇后杯の戦い方は各チームそれぞれあるし、ノックアウトステージの難しさもあると思うので、勝ち上がり方がどうだっていうところは私の方から言うべきことではないと思っている。それとは別に各選手が、自分のストロングポイントがどれだけチームに還元できているだとか、動きの面を一人一人見るようにはしている。勝ち上がる勝ち上がらないに関わらず、選手個人のパフォーマンスがその自チームでどれくらいプラスに作用しているのかをチェックしてきた」

——MF遠藤純が池田監督体制初の招集となるが、監督が考える遠藤の特徴や期待している部分は何か。
池田「彼女は左足のスペシャリティを持っている。フィジカル的にも世界に通じるスピードが持ち味の一つではあると思う。そういった遠藤選手のスピードやレフティーの部分がチームにさらなるパワーをプラスしてくれるんじゃないかと思っている」

——海外遠征で感じた課題をどう整理して次に繋げていこうと考えているか。
池田「課題として、ゴールを奪うというところはあると思うが、まず一つは、チームとしてのペナルティーエリアに入ったり、フィニッシュまで持っていくという武器の共有みたいなところはしていきたい。また、それだけに頼らず、自分のアイディアだとか、個人で剥がせる、個人で突破して侵入していけるといったところのプラスももっと選手に求めて生きたいなと思っている。あまり共有で形かたちになるとそればかりが頭に入ってしまって、臨機応変さだとか正しい判断の妨げになってはいけないと思っているので、そういった思い切りの良さだとかダイナックさというところも求めていきたい」

——守りを固めてくる相手に対して、毛色の違うサッカーで勝ち切らなければいけないと思うが、その辺りのバランスはどう考えているか。
池田「相手がどういった形で我々を迎え撃つかというところは、慎重かつ大胆に考えていかないといけないと思っている。相手が守りを固めてきたときに、ペナルティーエリアの中に入っていくだとか、シュートを撃つというアイディアもあるが、ミドルシュートやクロスなど遠いところからのアプローチなど色んなバリエーションも持っていないといけないと思っている。相手がやってきたことの嫌なところを突けるようなバリエーションを積み上げていったり、選手にも求めていきたい」

——セットプレーのブラッシュアップは、キッカー含めて考えているか。
池田「セットプレーもアジアの中で言えば、そこまで身長差で負けることは無いし、逆にこちらがプラスになる部分もあると思うので、セットプレーも含めて、色んな方法、手段を持っていきたい」

——佐々木女子委員長率いるなでしこジャパンが世界を制したときに比べて、欧州各国の戦術の進歩が男子と変わらない勢いで伸びているが、どう感じているか。また、池田監督に求めるものは何か。
佐々木「池田監督自身もその辺は熟知して準備している状況だし、先日(オランダ遠征)の試合も、得点は取れなかったが、実際にコンセプトのイメージを付け加えてトレーニングし、試合に臨んでいた。無失点で終わったことはネガティブにはならない方がいいし、あくまで次へのステップという中でやってくれていた。私が優勝したころから見れば、本当に欧米、オーストラリアも含めてチーム戦術的な要素が攻守にわたって成長してきている。その辺はより攻守にアクションする池田監督のサッカーの質を高め、また、我々がやっていたころよりも技術的な要素は伸びてきている経緯もあるし、素質のある子が以前よりも人数がいるので、期待しているところ。その質を上げていければ世界でしっかりと戦えて、皆さんのご期待に沿えるだけのチーム力にはなると信じている。是非、期待してもらいたい」

●女子アジアカップ2022特集ページ

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