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関東一出場辞退に選手も動揺。大津は地元、そして「小嶺先生、関東第一さんの思いも背負って」決勝へ

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大津高は関東一高の思いも背負って決勝へ。(写真提供オフィシャルサポート)

 第100回全国高校サッカー選手権は8日、準決勝2試合が予定されていた。第1試合はともに初の決勝進出を懸けた大津高(熊本)と関東一高(東京B)が対戦する予定だったが、前日7日に関東一の選手2人に新型コロナウイルスの陽性反応が認められたため、同校が出場辞退。大津が熊本県勢初の決勝進出を決めている。

 8日午後、大津の山城朋大監督がオンライン会見に出席。「やっぱり関東第一さんとの準決勝に向けて準備をしていましたので、昨日の(夜)8時の(関東一辞退の)報告のところで動揺は隠せなくて、今日の午前中の練習でも元気がなかったんですけれども、(平岡和徳)総監督の方から『関東第一さんの分まで今できることは、決勝に向けて良い準備をすることだけだ』という話を戴いて、そこからどうにかみんなの表情が良くなって、良い雰囲気で練習はできていました」と語った。

 準々決勝でV候補の静岡学園高(静岡)を破るなど、進撃を続けてきていた関東一を警戒していた。「都リーグでも結果を出されていますし、試合を見ていてもキレイなサッカーをすると思っていた。キレイなサッカーだけでなく、(全国大会では)対戦相手に応じた器用な一面もあって、やりづらい相手だなと捉えていました」。国立の舞台で好チームと対戦することを楽しみにしていた。準決勝へ向けた多くのメッセージも届く中、気持ちを引き締めて準備をしていた。

 関東一辞退の報告を受けた際、選手たちは「一言もしゃべれないという状況」(山城監督)。今朝もまだ引きずっていたようだ。それでも、現実を受け止めて今、自分たちにできることに集中。この日は90分間の調整を行い、紅白戦などを実施した。高川学園高(山口)対青森山田高(青森)との準決勝後に、決勝へ向けた本格的な準備をスタートする。

 10日の決勝は、熊本県勢にとって初の舞台。山城監督は「今日、平岡総監督も選手に話していたんですけれども、『ここまで来たら結果うんぬんにこだわるのではなくて、とにかく自分たちのやってきたことを精一杯出して、熊本県民や、九州の方々や、(7日に亡くなった長崎総科大附監督の)小嶺先生や関東第一さんの思いも背負って戦おうということを話されていました」。応援、また支えてくれた人々、そしてライバルのためにも決勝で自分たちの全てを表現する。

(取材・文 吉田太郎)

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