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上手くて、しなやか、選手権3発。青森山田の次世代エースFW小湊絆は「何でもできるFW」へ進化、活躍する1年に

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青森山田高の次期エース候補、FW小湊絆は選手権で3ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.10 選手権決勝 大津高 0-4 青森山田高 国立]

“3冠王者”青森山田高(青森)の次世代のエースストライカーは、“思い描いていた通り”の活躍をした選手権から22年の主役になる。

 決勝で後半39分から出場。優勝の瞬間をピッチで迎えたFW小湊絆(2年=横浜FCジュニアユース出身)は「2年生で3冠という貴重な経験をさせてもらって、物凄く嬉しかったです。上手く行かない時とか多くて、でも、やり続けて良かったです」と振り返る。

 自身初の選手権で計3ゴール。2回戦・大社高(島根)戦の後半38分にMF本田真斗(3年)のシュートのこぼれ球を拾って右足でゴールを破ると、その5分後には左サイドで粘ったMF小原由敬(3年)の折り返しを豪快に左足で叩き込んだ。

 そして、高川学園高(山口)との準決勝では、MF藤森颯太(3年)の折り返しを大きなモーションからの右足シュートでズドン。また、この試合では身体を投げ出す形で相手のクリアをブロックし、MF田中栄勢(3年)のAチーム初ゴールを演出している。

 全5試合に途中出場し、計68分間、シュート5本で3発。大舞台で抜群の得点力を披露した小湊は、「選手権に関しては自分が思い描いていた通りに、ゴールでチームに貢献したいなというのがあったので良かった」と活躍を素直に喜んでいた。

 21年度はプレミアリーグEASTで12試合1得点。インターハイでは2得点を挙げているが、いずれも大量得点の7点目や8点目で自分がチームを勝たせるような活躍ができた訳ではない。先輩たちや他校の2年生選手が活躍する中で悔しい思いも味わった。だが、「何でもできるFW。どんなサッカーにも合わせられるFWになりたいです」と語るFWは地道に決め切る力やハードワークする部分、高いスキルも磨いて選手権で活躍することに成功した。

 小湊は、7年連続で2人ずつ高卒Jリーガーを輩出している青森山田の次のプロ候補。登録176cm、69kgでボールコントロールの質が高く、身のこなしもしなやかで何より決定力が魅力だ。本人も技術力の高さや一瞬で抜け出すスピード、得点力を「見て欲しいです」という。そして、来シーズンは何でもできるFW、どんなサッカーにも合わせられるFWとなって青森山田を勝たせることを考えている。

「全ての大会でディフェンディングチャンピオンとして臨むことになる。3冠を取った強いチームの一員として経験させてもらったので、来年、自分たちの代で引き継いでいきたいですし、その中でチームを引っ張って活躍していきたい。(まずは)個人としてプレミアの得点王を目指したい」と誓った。“3冠”世代と同じ成績を目指すことは非常に困難なチャレンジ。その中で、先輩たちの姿を見て学んだFWは犠牲心を忘れず、大舞台で特長を発揮し続けて1試合でも多く、仲間たちを助ける。

(取材・文 吉田太郎)

(※青森山田高の協力により、リモート取材をさせて頂いています)
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