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桐蔭横浜大から3年連続川崎Fへ…川崎U-18最終戦のGK劇的弾から4年、早坂勇希が帰還「今度は自分が希望に」

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GK早坂勇希(右)と鹿児島内定MF圓道将良

 DFイサカ・ゼイン(横浜FC)、MF橘田健人に続いて、桐蔭横浜大から3年連続で川崎フロンターレに進むことになった。「続かないといけないという思いはあった。少しプレッシャーになっていた」。GK早坂勇希(4年=川崎U-18)は安堵の表情をみせた。

 下部組織出身という点では、よりプレッシャーがあったはずだ。今でこそMF脇坂泰斗、MF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)といった大学経由で帰還を決める選手が多くいるが、早坂がトップ昇格を見送られた時は、MF可児壮隆(奈良クラブ)がいたのみだった。当時は「お先真っ暗だった」と心境を振り返る。

「ユースからトップに昇格できなかったときは悔しい部分が多くあった。そこが一番サッカー人生で辛かった時期です。泰斗くんや薫君といった“出戻り”と言われる選手が希望を与えてくれた。そういった選手がいたから頑張れた。これからもトップチームに上がれず、大学に進学する選手は多いと思うので、今度は自分が希望になれればと思います」

 今でも鮮明に覚えているという思い出の試合が、川崎U-18時代にある。17年12月10日、等々力陸上競技場で行われたプリンスリーグ最終節の前橋育英高戦、プレミア参入戦に出場するためには勝つしかなかった川崎Fは、1-1の後半アディショナルタイムにCKを獲得した場面で、早坂をゴール前に上げる。ここで早坂はゴール前のこぼれ球を蹴り込んで、劇的な決勝点を奪ってみせた。

「正直、あそこの場面は今でも鮮明に覚えています。たくさんの方々が会場に足を運んでくれて、素晴らしい雰囲気でやらせてもらった。あのころはよく、『等々力劇場』を目の当たりにしていた。勝っても参入戦進出は厳しい状況でしたが、少しでも勝機がある限り戦おうと話していた。等々力のあの雰囲気を味わえたのは思い出でもあるし、これからの目標でもある。また取りたい?そういう場面が来たら取りに行きたいけど、まずは失点しないことがGKの役目だと思っています」

 戻ることしか考えていなかったという川崎Fへの帰還。しかし、川崎Fには韓国代表としても長年活躍したGKチョン・ソンリョンが君臨。GKというポジション柄、出場が簡単ではないことは理解している。ただ「ハードルが高ければ高いほど燃えるタイプ」という自己分析があり、「自分の良さはシュートストップや反応速度。周りどうこうより、自分がどれだけ向上心を持って出来るかだと思います」と気を引き締める。

 早坂が大学で成長を遂げる間、“古巣”川崎Fも絶対王者へと変貌を遂げた。「シルバーコレクターと言われていたチームが、優勝しないといけないチームになった。でもその間もずっと見てきた。チームの勝利、最初失点だったり、記録を残していかないといけないと思うので、向上心高くやっていきたいと思います」。志は常に高く。一度は諦めかけた夢の続きをみることができる喜びを噛みしめながら、プロとしての第一歩を踏み出す。

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